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ウイスキーという大人の愉楽。

出張先のホテルで、セブンイレブンで氷だけ入ったアイスコーヒーカップと炭酸水を購入し、鞄に忍ばせていたジムビームの小瓶を取り出し、即席ハイボールを作って飲む。これがやけに美味しい。

出張には書類は忘れるが、ジムビームは決して忘れない。その程度の関わりしかないウイスキーだけれど、実のところ、その本質はわかっていない。そこで、こんな本を読んでみた。これが思いの外面白い。

筆者はサントリーウイスキーの開発に携わった世界的ブレンダー。現場感覚を持ってウイスキーの潮流をシンプルに説明してくれる。あーやばい。ページをめくる手が止まらなくなるw

ウイスキーに関わったパイオニアが多く登場する。中でも創業者の鳥井信治郎と技術者の竹鶴政孝の二人の関係性は興味深い。彼らは一蓮托生と思われたが、鳥井は日本人の嗜好に合う繊細なウイスキーを望む一方で、竹鶴はスコッチウイスキーとしての理想の味を追求したかった。目指すベクトルが違ったため、最後には袂を分かつ。

この本にはウイスキーの製造法や飲み方、バーの作法も教示しているが、それよりむしろ、販売戦略の裏側や人間関係の葛藤といった、現場の最前線にいなければ、知り得ない経験や逸話が断然面白い。

ウイスキーのマリアージュについても語ってくれる。例えば、天ぷら・焼き鳥。塩には「白州」、天つゆとたれには「山崎」が合うという。その理由は・・・読んでくださいw

世界的にウイスキーを食中酒として発展させたのは、日本とりわけ和食の影響が大きいと言う。何だか嬉しくなる。よし、今夜は山崎ロックにしよう!

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