介護員、夜勤中閉じ込められる。
■閉じ込められ体験はパパ ママだけじゃない‼
少し前、ゴールデンタイムの時間帯にとあるバラエティー番組を見ていた。
それは、視聴者投稿によるリアル体験を番組内で再現ドラマ化されるものであった。
そう、その時のテーマは
ズバリ‼
「閉じ込められた体験」
でした。
よく、マンションやアパート暮らしのご家庭の方で
ベランダなどで洗濯物を取り込んでいると
子どもに鍵をかけられ
締め出された‼
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
そうです、実は私も介護施設で夜勤中
ありました。
■丑三つ時 巡視と安否確認のはずが…
巡視と安否確認のため、認知症のご利用者さんの大部屋に入った時のことです。
それは、夏の猛暑の丑三つ時でした。
そこは4人部屋でした。
そのうち、1人の利用者さん(以下Aさん)が昼夜逆転のため覚醒されていました。
そのため、Aさんは
他の利用者さんたちののベットをギャッチアップして上下に動かしてみたり
せっかく眠剤を飲んでぐっすり寝たにもかかわらず
起こそうとしていたり…
おー
なんてこったい
せっかくみんな寝たというのに
お願いだから、起こさんでおくれ~‼
と思いながらゆっくりと部屋に入っていきAさんの対応をしていると
あることに気が付きました。
それは
部屋の中のドアノブが日中に壊され
かろうじてひっついていた状態
という事に気が付きました。
■『スタッフサービスに電話したくなった』
おいおい
聞いてないぞーそんな事
壊れているなら壊れているで、申し送りしてくれよー
直しておいてほしいよなぁー
とトホホな気持ちでいっぱいになりました。
ある程度、Aさんが落ち着いたので詰所に戻ろうとすると
またまた事件が勃発‼
Aさんがやっと寝たと思ったのもつかの間
今度はBさんが覚醒し徘徊‼
なんと、あろうことか‼
ドアに近づきドアノブに手をかけているではないか?
マジか‼
オーーー
なんてこったい‼
やばいぞ
ヤバイぞ
やばいぞー
ドアノブはずれたら
ここから出られなくなってしまうよー
と
あの芸人さんなみに
変な汗と焦りが…
そんな気持ちとはうらはらに
あっけなくドアノブは外され
ふいに浮かんだのが
「オー人事のCMソング(チャイコフスキー『管弦セレナーデ』)』
でした。
おいおい
ここの施設どうなってんだぁー?
ドア壊れてますが…
こっちがスタッフサービスオー人事に電話したいぐらいだわ…
と思ってしまいました。
(当時、このCMが大流行!)
■それぞれに、それなりの訳がある
しかし、さすがBさん‼
彼にとってはドアノブを外す行為は若い頃の職業と関係がありました。
その職業とは大工でした。
そのため、その名残で床や壁をドンドンと叩いて安全確認をしていたと思われます。
また、Aさんは元軍人だったらしくその頃を思い出していた様子でした。
そのため
「夜間寝ていたら敵の軍人に命を狙われるから、起きろー」
ということで相部屋の皆さんを起こしていました。
それならば
まぁー、しょうがない
ここから、私自身が脱出する術を考えなくては…
と考なおすことにした。
そんな中、制服のポケットをがそごそとしていると
ベランダに出るための鍵を持っていたことに気がついた。
おー、助かった…
■大脱出は良かったが…
とりあえず、ここの利用者さんたちが寝た頃を見計らってベランダへ脱出しなくては…
一難去って
また一難…
出たのはいいが
今度はどこから中に入ろうか問題が…
当然だが、こんな時に限って利用者さんのどこの部屋もしっかりと施錠されていた。
ベランダから部屋に入るには、中から誰かが鍵を開けてくれないと部屋には入れないようになっています。
マジか…
■無事に戻れた
しょうがないのでベランダをとぼとぼ歩いていると
僅かな光が…
何やら洗濯場の洗濯機が回って動いているので
これはもしや…
決して悪いことをしたのではないのですが
あまりにバツが悪く
誰もスタッフがいないことを見渡して
こっそりと、壁をよじ登り洗濯場の窓から中に入り
業務に戻ったことがあります。
介護スタッフのみなさん、こんなことってありませんか?