日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち
兵庫県立美術館「日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち」を見に行きました。
金山は神戸生まれの洋画家で、県美のコレクションルームには小磯良平と並んで専用の展示室がある人なのですが、今回の特別展では同時代にともに渡欧して研鑽したり、交友のあった画家の作品や書簡、絵葉書、写真などの展示があり、まさに渾身の金山平三展といった感じでボリュームと熱量がすごかったです。
上は特別展の展示室の入り口ですが、この両脇の踊る人は何だろうと思いますよね。これも、展示を見ていくうちに誰が何をしているのか分かってきます。
金山の絵は油彩画が大半で、明治天皇の事績を描く壁画に挑む前にはテンペラ画を描いたりもしていました。上の絵は水彩画で、何枚か水彩画が並んでいた中の１枚です。
上の絵は、壁画を描く前の画稿です。こうした画稿や下図と言われるものが何枚もありました。これを描くためのスケッチなどの展示もありました。
大病をして療養している間に手すさびとして描いた芝居絵が面白くて、その空間の取り方や動きを捉える切り取り方が素晴らしいと思いました。金山はこの時期に踊りを始めたということで、着物を着て踊る姿を撮影した写真のスライドショーも面白かったです。（入口両脇にあった踊る人は、金山本人の写真だったのでした。こういう一面もあったのですね。）
展覧会の最後は、風景画家として鉄道で旅をして描いた風景画です。私はこの最後のコーナーが一番気に入りました。雪の東北などは特に心惹かれました。
そして、久しぶりにコレクション展も見ました。「虚実のあわい」を見ておきたかったので。これもまた作品数が多くて、中身の濃い展示でした。
２階のコレクションルームにある金山平三記念室の展示も、ぜひご覧になることをおすすめします（兵庫県立美術館のコレクション展は別料金ですが、特別展を見ると割引料金で見られます）。