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イリュストラシオン ミュシャとアール・ヌーヴォーの挿絵
堺市の堺アルフォンス・ミュシャ館へ行き、企画展「イリュストラシオン ミュシャとアール・ヌーヴォーの挿絵」を見ました。
堺市駅から屋根付きの直行デッキを歩き、2,3分程度で到着です。今日のようにおそろしく暑い日でもほとんど暑い思いをせずに行けてしまい、美術館の中は涼しくて快適ですので夏休みに行く場所としても非常におすすめです。
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ミュシャは舞台や商品のポスターが有名ですが、彼の画業のデビューは挿絵の仕事だったそうです。パリに出てきたミュシャは生計を立てるために早い時期から挿絵を描き、その挿絵の仕事で人物背後の装飾的な円環のデザインや、S字カーブの立ち姿のポーズが後のポスターやパネルなどの仕事でも生かされました。
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私が面白いと思ったのは「白い象の伝説」という児童向けの書籍の挿絵です。作者はバレエ「ジゼル」を構想した詩人テオフィール・ゴーティエの娘ユディット・ゴーティエです。この本は、ラオスとシャム(現在のタイ)、インドが舞台の話で、作者のユディットは現地に行くことなく想像で話を書き上げ、挿絵のミュシャも現地に行ったことがなく挿絵を描いたそうなのです。ただ、ミュシャは画力がとても高いので登場する動植物を実にリアルに描いています。(でも、これが現代であれば想像だけで西欧の作家が行ったことのないアジアの国の話を、取材することなく想像で描いた本は出版されないですよね、いろいろ問題がありすぎて。当時だからこそのお話だと思います)
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上の写真は、この白い象の伝説の絵本を巨大な模型にしたフォトスポットがあったので撮影したものです。ミュシャらしい装飾的な縁取りや、写実的な象の描写が素晴らしいですよね。
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図録より
挿絵の下絵は上のような感じです。建物などは資料を参考にして描いたのでしょうか。
他に、ミュシャの「トリポリの姫君ルイゼ」、「ラマ」←なんとラーマーヤナを元にした話だそうです などの書籍の挿絵を見ました。
「主の祈り」というキリスト教の書籍の制作以後、祖国のための作品制作へと方向を定め、「スラヴ叙事詩」へと繋がっていきました。
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上の写真は撮影可能なレプリカのお部屋で撮影しましたが、照明の関係で非常口のマークが映り込んでしまってます。「四つの星」は宵の明星、北極星、月、明けの明星の4枚セットでした。こちらのお部屋では、四季や四つの花、四芸術など4枚セットのリトグラフがたくさん展示されていました。「四つの星」は黒っぽいトーンで、こういう色合いは珍しいなと思い印象に残りました。
「イリュストラシオン」は7月28日までで、8月3日から「アフィショマニ!ミュシャマニ!」が始まります。夏休みということもあり、体験型のイベントがいくつか開催されるようです。詳しくは公式サイトでご確認くださいね。
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