挂甲の武人国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」
少し早起きして飛行機に乗り東京へ。今回は1泊2日で東京のミュージアムをいくつか見て回る予定です。
今日は東京国立博物館で特別展「はにわ」を見ました。東博が所蔵している「挂甲の武人」が国宝に指定されて50年ということで記念の展覧会です。
埴輪とは、王の墓である古墳に立て並べられた素焼きの造形です。古墳時代は350年間あり、地域や時代ごとに色々な形の埴輪が作られ、古墳に並べられてきました。その姿は、当時を生きた人々の服装や装飾品、儀式の様子、動物との関わりなどを写す資料でもあります。
大阪の高槻にある今城塚古墳に行ってみたいと思っているのですが、今回はそこの埴輪の一部も見ることができました。人の形の埴輪も、家形埴輪も大きいものでした。
「埴輪」というと何となくユルい造形を想像するかもしれないけれど、割と細かく写実的な造形のものも多いです。
上の船形埴輪は、外洋を航行できる準構造船の埴輪だそうです。かなり精巧な形の埴輪だと思いました。
東博所蔵の挂甲の武人をはじめとする、非常に良く似た造形の「挂甲の武人」が5体勢揃いしました。出土した古墳は場所がちょっとずつ違います。何故こんなに似ているのでしょう?
埴輪は、古墳を作る場所で地域の人たちが作るのではなくて、埴輪を作る専門の工房があり、そこで作られたものを各地に運んでいたと考えられるそうです。なるほど、プロの仕事と考えれば納得です。
めちゃ可愛い鳥が肩に乗ってますが鷹だそうです。6世紀には鷹匠の人がいたのですね〜。ヒト型の埴輪は面白くて、楽器を弾く人や、まわしを締めた力士なんかもいました。
動物の形の埴輪が並んでいるコーナーは本当に可愛くて、皆さん楽しそうに見ていました。
特別展は平成館で行われているので、「はにわ」展を見終えたらそのまますぐに平成館の1階の考古の展示室へ行き、そこに並んでいる埴輪も楽しみました。
考古展示室の入り口近くには重文の「埴輪 盛装女子」がガラスケースに入って展示されていて、ツーピースのように上下分かれた服装の女性の埴輪です。ガラスケースのものは撮影が難しくて上手に撮れませんでした。
そして本館の日本美術を見ていたら、不動利益縁起絵巻の内容が面白くて笑ってしまいました。
証空という人が病気で、不動明王に祈ると、不動を描いた画像がはらりと落ちたそうです。つまり不動明王は証空の身代わりになったということで、証空の代わりに縛られて冥界に連れて行かれましたが、冥界は不動が来ちゃったと大慌てで、冥王は腰を低くし、冥官たちも跪いて敬意を表します。不動明王はそのまま許されて白雲に乗って帰っていきました。めでたし。
そして今日は初めてミュージアムシアターに行きアンコール遺跡のバイヨン寺院の作品を見ました。
東洋館の地下です。東洋館では「アジアのおしゃれ」という企画もやっていて、なかなか楽しめました。閉館間際まで歩き回り、充実しつつも歩き疲れました。
明日も歩き回ることになりそうです。
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