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唐ものがたり 画あり遠方より来たる
中之島香雪美術館へ「唐ものがたり 画あり遠方より来たる」を見に行きました。こちらの美術館は、中之島のフェスティバルタワー・ウエストというビルの4階にある、いわゆる都会のビルの中の小さい美術館ですが、面白い企画ものの展覧会が多いのです。
今回の「唐ものがたり」は「唐絵」「唐物」として珍重されてきた絵画の企画展で、中国や朝鮮半島(朝鮮半島からのものも唐絵と呼んでいたそう)から日本にもたらされたと伝わる絵画とその鑑定書や墨書のある箱が並べられていました。また、それらの中国絵画の摸本や、参考に描かれた作品もありました。
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この「梅鷺図」は明時代の絵師徐煕が描いたと伝わるもので、狩野常信が内箱蓋表墨書と極書を、常信の息子の周信が鑑定をしています。また、島根の松平不昧が外箱蓋表墨書を行い、不昧が所有していた頃からの表装がそのまま変わっておらず大切にされていたことが分かるそうです。
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徽宗の筆と伝わる「梔子小禽図」ですが、印が異なっていたり描き方が真筆とは異なることから、後世の模倣作と考えられるそうです。
今回の展覧会の面白さは、こうした「伝〇〇 だけど、実は違っていると思われる作品」もたくさん並んでいたことで、違っているんだけど当時は〇〇の筆だと思われて大切に守られ伝えられてきたものがたくさんあるんだなあということが分かりました。また、江戸時代の絵師・狩野派による摸本のあるものもありました。
現代だとトレスだの言われて駄目だと言われてしまうこともありますが、実は古い絵画の世界では全く同じ構図で古い作品を摸することは普通のことだったんですよね。
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左隻狩野永徳
南宋時代の馬遠、夏珪、牧谿などは日本で人気だったため、こちらの屏風にも影響がみられるそうです。
中之島香雪美術館を出て、大阪大学中之島センターへ。見たいと思っていた、森村泰昌氏の初のパブリックアート「適塾の集い」(「塾生たち」「洪庵」「八重」 三幅対作品)を見ることができました。センターのエントランスから入り、2階へ上がる階段のところに飾ってあり誰でも見ることができます。
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適塾の集いを見ながら階段を上がり、2階にある「カフェテリア・アゴラ」でランチをいただきました。こちらのカフェは、前に神戸のBBプラザ美術館の講演会で先生が教えてくれたお店で、美術館の中にあるお店よりも、こちらに来ると350円でコーヒーが飲めますよ、ぜひ立ち寄って下さいとお聞きしてから「中之島へ行ったら絶対に行ってみる!」と思っていたのです。
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なんとリーガロイヤルホテルの直営店で、食券制のカフェテリアになっており手頃なお値段でお食事ができるお店でした。こちらのパスタランチが、ドリンク付きで千円です(ドリンクは食後にもできる)。美味でした。とても空いていました。大阪中之島美術館へ行った時にも立ち寄ってお食事しようかなと思います。超おすすめです。
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そしてランチ後は国立国際美術館の「コレクション1」を見に行き、村上隆の「727 FATMAN LITTLE BOY」を始めとする現代アートの数々を楽しみました。
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このコレクション展、村上隆だけではなくリキテンスタインやウォーホル、奈良美智、ヤノベケンジ、中原浩大、森村泰昌、会田誠など超豪華なラインナップなのです。私が気に入ったのは会田誠の「滝の絵」。かなりショックでした。様々な名画からとったというスクール水着の少女たちのポーズ…。作品の前に置いてあった椅子に座り込み、しばらく呆然と上から下まで眺めていました。
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