ミュシャとパリの画塾
堺市駅の近くにある堺アルフォンス・ミュシャ館へ行ってきました。こちらの美術館は株式会社ドイの創業者 故土居君雄氏(1926-1990)が収集した約500点にのぼるアルフォンス・ミュシャの作品を所蔵、展示している美術館です。
いつでもミュシャの作品が見られる美術館で、リトグラフだけではなくてデッサンや油彩画、ブロンズなどもありミュシャの画業が幅広かったことが分かります。ミュシャが大好きですし、こちらの美術館自体も大好きですので何度も足を運んでいます。
12月2日から3月31日まで「ミュシャとパリの画塾」という企画展をやっています。
ミュシャが画学生時代に学んだアカデミー・ジュリアンと師であるジャン・ポール・ローランス、アカデミー・コラロッシでの師であるラファエル・コランの紹介と油彩画の展示がありました。ローランスの重厚で正確なアカデミックな画風は、ミュシャにも受け継がれていると感じました。
ウミロフ・ミラーだけが撮影が許可されているものです。曲線が美しいです。ミュシャが画塾で教える立場になった時の言葉に「目はカーブや円を見ることを好むものです」というのがあって、彼の独自の理論なのですが、直線を見る時には目の筋肉が引き締まり疲労が増大するけれども、カーブや円では筋肉は楽になって心地良いものとして知覚すると言っています。彼のポスターや、こうした立体の作品のデザインに用いられている曲線はこうした理論のもと考えられたものなのでしょう。
展示の最後のコーナーでは、日本の画家とミュシャの関係、影響について詳細に解説があり、ミュシャのサイズの大きな油彩画である「ハーモニー」を囲むようにアカデミー・コラロッシでミュシャと接点のあった5人の日本人画家の作品が配置され、師弟の再会という形が作られていました。このコーナーが私には面白かったですし、面白い切り口だと感じたので、詳しい解説やコラムの掲載されている図録を購入しました。
3階の展示室ではミュシャの文字に着目した展示をおこなっていて、こちらはレプリカの展示は撮影可能になっていました。演劇ポスターや商業ポスターのレタリングを比べてみることができました。
いま、グランフロント大阪で没入型のミュシャ展をやっていますのでそちらに行かれた方も多いかと思います。そういったものからミュシャに興味を持たれたら、こちらのミュシャ館にも是非いらしていただきたいです。
リトグラフ作品や油彩画、図案集などの書籍を見ることができます。ミュシャの女神たちと写真が撮れますw↓