異界彷徨-怪異・祈り・生と死-
http://www.mus-his.city.osaka.jp/index.html
大阪歴史博物館へ行き特別企画展「異界彷徨-怪異・祈り・生と死-」を見ました。歴博は、NHK大阪放送局の隣というか、ほぼ一体化して建っていて入り口など共通している部分もあり、このような並び方でポスターが掲示されていました。
チケットを購入(なんと常設のみの料金600円で見られます)すると、常設展の10階から見て順に下りていき企画展は6階だと案内されました。エレベーターで10階まで一気に上がり、常設展を見ました。10階は難波宮に関する展示でなかなか面白く、また展示室から難波宮跡を眺めることができて良いです。
下に下りる階段ホールからは大阪城が見えますし、大阪観光にも、ここからの眺めはおすすめです。
さて、6階まで下りてきていよいよ「異界彷徨」です。異界とは、私たちの住む世界の外の世界をいいます。異界には妖怪や悪霊、神や仏が住まうとか。昔の人々が、そんな異界に住まう存在を想像し、描いたり造形したりしたものが様々並んでいました。たとえば河童、天狗などはそうした絵画などで私たちも見慣れた存在だと思います。
個人蔵や寺社蔵のもの以外は撮影が可能なものが多かったです。絵画ばかりではなく、面や凧、版本などもあり展示数はかなりありました。丁寧な解説もありますので、お子さん連れや中高生でも楽しく見られるんじゃないかと思います。もちろん、大人にも超おすすめの展覧会です。
昔の人々が日々の暮らしに安寧をもたらすために、異界の力に頼ることの例として、病気は魔物がもたらすと考えていたので魔除けを施したり、経済の安定をはかろうと神仏に願いを伝えたり、いろいろな信仰が伝承されてきました。呪術用の木簡や人面墨画土器、流し雛、お守りなど様々な願いを叶えるために作られたものの展示が、私は面白かったです。
この章の最後の方に「節分」の展示があり、そこに昭和15年に配布された節分の巻き寿司のチラシが展示されていました。いわゆる「恵方巻」です。節分の季節になると、恵方巻はここ数年のうちにできた風習ではないかと言う人が現れますが、昭和初期の大阪に既に始まっていたことが分かります。
歴博を見た後、髙島屋史料館へ行き常設展と企画展「FROM OSAKA」を見ました。ここは髙島屋東別館の3階にあり入館無料の施設なのですが、建物は昭和のはじめに建築された重要文化財なのだそうです。
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/
北野恒富や中村貞以などの日本画や与謝野晶子の短冊貼交屏風などが見られました。
昔の髙島屋のエレベーターホールの復元も素敵でした。洋装のエレベーターガールの姿が思い浮かぶような、クラシカルなエレベーターのデザインです。
なんばの街を歩いて疲れた時など、立ち寄ってみたらいかがでしょうか。1階にはカフェがあり、のんびりと休憩することもできますよ。