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よきかな源氏物語
本日2件目は嵯峨嵐山文華館「よきかな源氏物語」です。こちらは、福田美術館とコラボで同じタイトルの展覧会を開催することが多いですが、今回は独自の企画展示でした。
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嵯峨嵐山という場所は、源氏物語のいくつかの巻の舞台になっています。たとえば、光源⽒の側室である明⽯の御⽅と、⼆⼈の間に⽣まれた明⽯の姫君が居住したとされる場所は嵯峨嵐山文華館のごく近所に設定されているそうです。また、光源氏が六条御息所を訪ねた地として登場する野宮神社、光源氏が建てた「嵯峨の御堂」は大覚寺の南に位置すると書かれているそうです。これら、ゆかりの地のMAPもいただけました。
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展示は京都市の学校に飾られていた紫式部像に始まって、定家の小倉色紙などもありました。源氏物語といえばやはり物語の絵の描かれた屏風。
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上の図は若い公達が蹴鞠に興じている時に、猫ちゃんが駆け出して御簾を引っ張って開けてしまい、女三宮の姿が見えてしまう場面ですね。猫ちゃんは黒猫のようです。柏木は左端でしょうか。御簾から顔を出す女三宮の方を見ているような角度は左端の男性のような気がします。
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上はちょっと変わった源氏物語図です。人物を描かずに、物語の象徴となる道具や背景だけで場面を連想させる「留守模様」で描かれているのです。どの場面なのかお分かりになりますか。(私はあまり分かりませんでした)
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これもまた面白くて、光源氏が35歳の時に造営した四町からなる六条院の、四つあるそれぞれの庭園の様子を描いたものです。冒頭は光源氏と紫の上、明石の姫君、女三宮の住む春の町の庭園です。
うまく撮影できなかったのですが円山応挙の源氏物語図屏風も展示されていて、源氏が六条院の春の町の庭園の池に龍頭鷁首の舟を浮かべて眺めている場面が描かれており、「どんだけ広いんだ、池…」と思ってしまったくらいです。春の町だけで一町あった(約120メートル四方)ということでしょうから、広いですよね…。
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上の図は、第19帖「薄雲」で明石の方と娘の明石の姫君の別れの場面を描いています。明石の方が明石の姫君を抱いています(姫君、すごく小さいです)。
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こちらの館は、2階が和室になっていて靴を脱いで畳の上で作品を眺めるつくりになっています。また、廊下に椅子が並べられているので腰掛けて外をゆっくりと眺めることができます。
4月7日までの展示です。桜が咲いたら、お花見ついでにいかがでしょうか。
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