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混じり合いすぎたい
会議に直行するのでスウィングに顔を出すのはお昼頃になる。お昼はココちゃんで食べる。
この2点を伝えるため、ココちゃんに電話を入れる。
ココちゃんとはスウィングから徒歩2~3分のところにある離れのことで、築100年を越える町家を改装して布や紙のモノづくりのアトリエとして運営している。正式名称<coco de emo nu>だから略して「ココちゃん」と皆呼ぶ。
ちなみに2点目の連絡はなんだかえらそうなのだが、僕がお昼ご飯をスウィングで食べたりココちゃんで食べたりいつもマチマチなため、毎日のように「今日はどっち?」と誰かが確認してくれるのだ。
自分のご飯なのだから自分で用意すればこのような事態は一発で解決する。
が、完全に地位と状況に甘えてしまって、なかなか方向転換できずにいる。
ともかく電話を入れる。しばらくコールした後「はい、もしもし」と出たのはミサさんだ。
彼女はハキハキと言う。
「はい、もしもし、お・つじいです」
即座に読み解く。
「おはようございます」と「ツジイです」(ミサさんの苗字)が一瞬で混じり合って、「お・つじい」になってしまったのだろう。
相変わらず凄いんだかバカなんだか分からない。
僕も彼女もゲラゲラと笑う。
気の重い朝、気の重い会議へと向かう気持ちが少し楽になる。
こんなふうに与党も野党も行政も民間も右も左も白も黒も、ちっちぇーことにこだわらずに混じり合えたらいいのにね。