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京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@原点回帰の銀閣寺編(第84回)

なぜか京都市営バスの路線系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

京都はインバウンドの増加により「もう、ほぼ外国」といった狂騒っぷり。

じゃあ我々の出番も益々増えそうなものだが、人々のスマートフォンへの依存、そしてスマートフォンが提供する情報の正確性の向上という相乗効果によって、<どのバスに乗っていいか迷ってもほとんど誰も我々をアテにしない><必要とされた後も結局スマホで案内が合ってるかどうか確認される>という事態に直面し続けたのがここ最近の現実だった。

これはもう疑いようのない現実なのだから受け入れざるを得ない。

じゃあ、この活動を続ける意味はあるのか? 続けるとしたらどうやってモチベーションを保てばいいのか? 

前回の記事を書いた後も僕は逡巡し続けたが、逡巡した挙句に辿り着いた結論は「どうせスマホを頼るっちゅーことは間違えたってええっちゅーことやないか。別にいなくたって誰も困らないんだから昔みたいに楽しくやろうぜ!」。

そう。我々は需要とニーズの切実さがだんだんと増すにつれて「正確な情報を提供しなくては……」と身を固くしてしまっていたのだ。
いつ頃からだろうか。よーわからんけどこのブログを振り返る限り、2017年頃からはるばる京都にやって来た人たちに対して「ひとつのミスもできない」と考えるようになり、間違いのない<正確な案内>をすることが最優先事項になり、実際ひとつのミスもしていないと思う。

でも元々は違ったのだ。

もちろんはじめから困っている人の助けになりたいと考えてはいたが、もっとなんつーかダラダラしていい感じだったし、つまりは<正確な案内>よりも、3人仲良く<楽しい時間>を大切にしていたのである。

そこんとこすっかり忘れちゃってたよね!

(暑すぎた夏をすっ飛ばした)去る10月22日(火)、「スマホ様のお陰で間違えてもいいぜ! 誰にも求められてないぜ! 気楽に楽しもうぜ!」と切り替えて向かった銀閣寺での案内は、事実めっちゃ楽しい時間になったのだった。

ちょうどその日、いつも以上に京都市営バスの運行が時間もルートもメチャクチャになってしまう「時代祭」が催されていたことも大きかったのだろう(全然知らなかったが道中の混雑具合でXLが気づいた)。

また、しんどいのは嫌だから人人人……でいっぱいなところは避けようと決めたこともよかったのだろう。

ここを定位置にしてもいいんじゃない? と思うくらいにいろんな人と気楽なコミュニケーションができて、「そこ行くんならこっちの方がいいんじゃない?」なんて行き先変更を提案したりなんかもして、人類の深刻なスマホ依存とその合併症「人間よりスマホ情報信じちゃう病」の重症化によって、我々は思いもかけず原点回帰を果たしたのである。

ただ、スマートフォンをもってしても未だに解決できないのが「のりば」間違いらしい。

京都は同じ名前のバス停にたくさんの「のりば」があることが多いし、「のりば」を間違えちゃったら(それはそれで面白いけど)最悪、真逆方向に行っちゃうことだってある。それに最近はAとかBとかCとか「のりば」を区別するための表記が以前よりもわかりにくくなっている気がする。銀閣寺もそうだったがABC表記がなくなっちゃったところもあるようだ。

今回も思い切り間違っちゃってる人たちに、XLが正しい「のりば」までご案内する親切爆裂場面が2度あった。

スマホではわからない上、指差しや言葉での説明では難しい場合も結構あるのだ。

ちなみにこうした場合、必ずXLが出動するのは彼の人の好さはもちろんのこと、僕が動いてしまうとその後の現場が回らなくなり、Qちゃんはキャラ的にそんな感じではないからである。

いきかたは、ひとつじゃないぜ。

どこへ向かうか、京都人力交通案内。
次回、我々一行は来る11月26日(火)、京のどこかに出没する。

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