11/22迄:詩人・向井久夫展、間もなく終了、そして続く……
ずっと知らなかったのだが、スウィング最年少ヒマワリと向井さんには意外な接点があったのだそうだ。
向井さんは昔から年長者らしく、若いスウィングメンバーをさりげなくフォローしたり何かと気にかけることが度々あったのだが、ヒマワリの場合は「チョコレート」で繋がっていたのだという。
「いつ来るか分からない」というミステリアスな部分が酷似している2人だから、会うこと自体ほとんどなかったんじゃないかと思う。向井さんは数少ない遭遇機会に「食べるか?」とヒマワリに小さなチョコレートを手渡し、そこにどんな感情のドラマが巻き起こったのか知る由もないが、その束の間がヒマワリにとって忘れられない思い出になった。
向井さんが亡くなった後すぐ、ヒマワリは手紙を書き、スウィングの壁面にある向井さんの写真の前に置いた。
お返しのチョコレートと一緒に。
そして最近、ヒマワリは熱心に詩を書いている。
Q氏は西谷君の影響により、向井さんはQ氏の影響により詩作をはじめた。
スウィングに詩という文化が根づき、また着実に受け継がれていることが嬉しい。
向井さん、知らぬ間に弟子をつくっちゃいましたね。
向井さんのご高齢のお母さんはわざわざ2度、介助の方と一緒にスウィングに足を向けてくれた。
展示を見たり詩集をたくさん購入してくださったが、思い立って映像をお見せしたら向井さんの朗読の声に涙を流しておられた。
もう一度声が聴けるとは思わなかった、と。
そろそろ展覧会『詩人・向井久夫 -愛と苦悩と下ネタの往復ビンタ-』を終了しようと思う。
スタートしておよそひと月半。向井さんが逝って早1ヶ月。
遠方近隣からの来場者も落ち着き、またこれからも世に出し続けたい作品のコンディションも気になる。
向井さんは「そんなん、どうでもええやん」と言うに違いないが、あなたもう書けないんだからちょっと黙っといてください。
そんなわけで『詩人・向井久夫 -愛と苦悩と下ネタの往復ビンタ-』は会期残り約2週間、11月22日(水)をもって終了させていただきます。
12月には神奈川県横浜市のギャラリー『Goozen』で開催される『輪廻とラブレター』展への出展が決まっており、ぜひぜひ関東方面にお住まいの方は足を運んでください。向井さんがとても楽しみにしていた展覧会です。
死は強い。
向井さんの新作が生まれることはもう二度となく、彼が遺した比類なき言葉はますます輝きを増す。
スウィングはこれからも向井久夫の言葉を伝え続けます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★展覧会:輪廻とラブレター
・会期:2023年12月6日(水)~8日(木)
・会場:Goozen -art and event space-
神奈川県横浜市南区六ツ川1-283
・営業:水・木・土・日曜日 13 : 00~19:30
・tel:080-6559-8040
・Instagram:https://www.instagram.com/goozen6/
★雑誌『POPEYE』掲載:『Goozen(グーゼン)』という名のギャラリー。