カレーうどんも名古屋めし!? 名古屋で独自進化した「名古屋式カレーうどん」の真実
皆さんこんにちは、こんばんわ。名古屋めし料理家のSwindです。
つい先ほど、Yahoo!のトップにある「名古屋めし」が登場しました!!
まさかの「カレーうどんは名古屋めし」説!!
国内外の話題がズラリと並ぶ中、どローカルな名古屋めしがトピックスに選ばれました。いやー、これはびっくり!
そしてこのトピックス、実はSwindが絡んだものなんです。
というのも、この記事をYahooに掲載したのは地元名古屋のテレビ局、東海テレビさん。先月「ニュースOne」の中で放送された「スギヤマ探偵社」のコーナーの内容をまとめなおした記事になります。
実はこの時の取材には名古屋めし料理家として私Swindも同行。杉山アナウンサーさんと一緒に名古屋式カレーうどんのルーツを探っていたんです。
ちなみにこの時の放送内容は動画でも配信されていますので是非ご覧下さい。
ということで、本日は改めて名古屋で独自に進化した「名古屋式カレーうどん」について番組では伝えきれなかった真実についてご紹介して参ります。
「名古屋式カレーうどん」の定義とは?
さて、最初に語らなければいけないのは「名古屋式カレーうどん」とはいったい何なのかということ。実はぼんやりと「このお店のものが名古屋式」とか「こういう感じのやつ」みたいな輪郭はあるのですが、何処かがはっきりと定義しているわけではありません。
しかし、鯱乃屋さんとオリエンタルカレーさんへの取材を通していろんな事実が判明してきました。それを紐解いて整理すると一つの「名古屋式カレーうどん」という定義が見えてきます。
それがこちら。
突き詰めて考えた結果、非常にシンプルな定義になりました。
他県他地方のカレーうどんは、うどんに片栗粉でとろみをつけたカレー風味のあんを載せたいわば「カレーあんかけうどん」が主流。しかし、名古屋のカレーうどんはあんかけではなく、カレーつゆそのものがカレーライスと同じような「ルウ」になっています。ここが最大の違いですね。
番組でも紹介されていましたが、名古屋式カレーうどんの一番の源流は日本初の即席カレールウ「オリエンタル即席カレー」をうどんに溶かしたもの。なので、当然つゆは「ルウ」なんです。
取材時はもちろん、その後も家で源流スタイルを試しましたがまさに「百聞は一食に如かず」、その味そのものが「名古屋式カレーうどん」のルーツであると雄弁に物語っていました。
「鯱乃屋」もまた「名古屋式カレーうどん」の発祥である
それでは名古屋式カレーうどんの発祥はオリエンタルであり鯱乃屋ではないかといえば、そうではありません。
オリエンタルが源流であるならば、鯱乃屋は「名古屋式カレーうどんの主たる形式を確立した」お店。その点において鯱乃屋もまた「名古屋式カレーうどんの発祥」といえます。
現在の名古屋式カレーうどんの主流となっている形式をまとめると、以下の通りとなります。
鯱乃屋さんはもちろん、「シメのカレーうどん」として有名な錦三のあの店も、「ちゅるちゅるうまうま」でおなじみのあのお店もみんなこの形式。鯱乃屋さんが昭和40年代~50年代にかけてこの形式を(おそらく)確立しました。
名古屋人がカレーうどんと聞いてイメージする「THE名古屋式カレーうどん」のルーツは鯱乃屋さんにあるといって間違いなさそうです。
ちなみにごはんをつけるのはさらりとした名古屋めしポイント。味噌煮込みに名古屋式汁無し担担麺、そして台湾まぜそばと同じようにカレーうどんも「追い飯」がつきものなんです。カレーつゆといっても出汁を効かせたカレールウのようなもの。合わないわけがないんですよね(笑)
名古屋式カレーうどんはますます進化する!?
それではなぜ主流である「THE名古屋式カレーうどん」の形式要素を定義に入れなかったのか、それは単に「他の形式もたくさんある」ということです。
例えばうどんをきしめんに置き換えたカレーきしめんは定番中の定番ですし、味噌煮込みスタイルのカレーみそ煮込みうどんもド定番。他にもつけ麺スタイルのカレーつけうどんもありますし、混ぜそばスタイルに近い汁無しカレーうどんというのもあります。
もし「THE」形式の要素を定義に含めてしまうと、これらのアレンジが「名古屋式カレーうどん」から排除されてしまうんですよね。それでは名古屋式カレーうどんをものすごく狭い範囲でしか捉えられないことになってしまいます。
もともと名古屋めしというのは様々なアレンジが楽しめる懐の深いもの。名古屋式カレーうどんもまたアレンジが楽しい「名古屋めし」なんです。
少々長くなりました。本日は取り急ぎこれにて。