見出し画像

「あ、これ私のことだ」と呟いた。〜『汝、星の如く』凪良ゆう〜

泣きました。

久々に、小説を読んで泣きました。
私にもまだ揺さぶられるような感情があったのだと驚き。

その愛は、あまりにも切ない。
正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。

生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

amazon『汝、星の如く』凪良ゆう


生きることの自由さと、不自由さ

過去は変えられないと言うけれど、未来によって上書きはできるようだ。

結局1番のがんばれる理由は、『ここは私が選んだ場所』という単純な事実なのだと思う。

自由は気持ちいいけれど、自由でい続けるには力がいる。

自分が何かに属することを決めた自由。


私ごとですが、7月に1年ちょっと勤めた会社を退職しました。
今はいわゆるフリーランスです。

日々、自由ってなんだろうなぁ、って考えながら過ごしています。

蛙化現象を克服するきっかけになってくれた彼とは、
遠距離が続いています。

遠距離が嫌で、彼のいるところでも私が私らしくいられるために、フリーランスを目指したのに。
そう簡単には理想には辿り着けないらしい。

遠距離を切り出した時には猛反対されました。
プロポーズもする気だったのに、の衝撃の一言も。

それは本当に、ごめんなさい。

一人でも生きていけるけれど、あなたとだったら空気が美味しい。
って言うのが結婚だっていう持論を持っているので、
まずは一人でも生きてみたいみたいです。
私は。


とはいえしんどいことが多すぎて、

理想に死ぬか不安に生きるか。

自由からの逃走。

そんなことが頭の中をぐるぐるしてます。

ぶっちゃけ今は理想に死んで自由から逃げたい。

でも、『汝、星の如く』で暁海と櫂が必死に今を生きたように、
もうちょっと自らを生きるために踏ん張ってみようと思います。

「あ、これ私のことだ」

って思わせてくれる文章ってすごいですよね。
『人間失格』を読んだ時と同じ衝撃でした。


あとは暁海と櫂っていうネーミングセンスが好きです。
瀬戸内の海で、暁の海に浮かぶ夕星を、櫂も暁海も大切に心に持っている。

夕星、宵の明星、金星、一番星、明の明星
金星一つとっても呼び方がたくさんあるように、
愛も形ってたくさんあるんだなと改めて思いました。



ーーーーーーーー
ぼちぼち書くのも再開したいな。

それではみなさん、お読みいただきありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?