【世界記録 分析】 長水路50m 自由形 20秒91 Cesar Cielo(セザル・シエロ)
①スタート局面のタイム(0m~15m)
②スイム局面(15m~25m,25m~35m,35m~45m)
③タッチ局面(45m~50m)
以上の局面をYoutube動画より分析をしました。
セーザル・アウグスト・シエロ・フィーリョ(César Augusto Cielo Filho)
2009年12月18日
「オープントーナメント」@サンパウロ🇧🇷
男子50m 自由形 20秒91
世界記録の分析結果を日本記録と比較もしてみました。
※日本水泳連盟科学委員会レース分析参照
塩浦慎理
2019年4月7日
「日本選手権」@東京🇯🇵
男子50m 自由形 21秒67
世界記録の分析結果と日本記録との比較
以下、分析結果と比較になります。
※結果や比較を踏まえて、いろんな意見を出し合って、現場で短距離選手のサポートに使えるnoteになればいいなと願います。
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❶ラップタイムの比較
※オレンジ=フィーリョ選手 ブルー=塩浦選手
明らかに差が出ているのが、スタート局面(0~15m)と第3局面(35~45m)の2つです。
◆スタート局面◆
飛距離はこちらの映像からはなかなか算出できません。
一つ言えることは、水着の違い!?
フィーリョ選手(左)は、今は着ることができない全身水着です。
入水後の速度にはかなりの差があると考えられます。
最初の15mで0.3~0.4の差が出るのは、かなりの遅れをとることになります。
しかし、浮き上がり後の第1局面(15~25m)の差があまりないことから、
塩浦選手の浮き上がりから1かき目にかけてのテクニックが素晴らしいと考えられます。
◆第3局面◆
第1局面(15~25m)と第2局面(25~35m)は0.1秒の差、それに比べて
第3局面(35~45m)の差は0.2秒の差が出ています。
50m自由形のレースでは、最後の10mで大きく順位が変わることがあります。
この局面の強化は、無酸素パワーの強化と、15~35mをいかに力まず、
効率よく泳げるかが課題になってくると思います。
❷−1ストロークタイムの比較
※オレンジ=フィーリョ選手 ブルー=塩浦選手
1かきするのにかかっている時間を見ると、フィーリョ選手の方が1かきに時間をかけています。
❷−2ストローク長の比較
※オレンジ=フィーリョ選手 ブルー=塩浦選手
1かきで進む距離を見ると、フィーリョ選手の方が1かきで約20cmも多く進んでいます。
❷−3泳速度の比較
※オレンジ=フィーリョ選手 ブルー=塩浦選手
1秒間で進む距離を見ると、フィーリョ選手の方が1秒で約6cmも多く進んでいます。
❷-4ストロークとスピードのグラフ
※オレンジ=フィーリョ選手 ブルー=塩浦選手
「ストロークタイム」手を早く回して、
「ストローク長」1かきで進む距離を伸ばしていけると、
「泳速度」スピードが上がっていきます。
❸テクニック局面
※オレンジ=フィーリョ選手 ブルー=塩浦選手
スタート・ターン・ゴールタッチの局面をテクニック局面と言っています。
少しでもタイミングが合わなければ0.2秒以上は変わってきます。
スタート15mの差はとても大きいと言えます。
二人の身体的比較
フィーリョ選手 塩浦慎理選手
195cm 身長 188cm
88kg 体重 89kg
※wikipedia参照
記録を樹立したときの体重などはわかりませんが、
身長高い方が手も長く、ストローク長が長くなると考えられます。
筋力、足の大きさ・手の長さ、柔軟性なども関係してくると思います。
備わっているものを最大限に生かし、自分にしかできない泳ぎを見出していくことが大事だと思います。
まとめ
これらはあくまで「世界記録」と「日本記録」のレースを分析したものであり、正解というわけではありません。部分的に見れば他にも早い選手はたくさんいてます。自分のレースを正確に分析し、長所と短所を見分け、練習課題を具体的して取り組んでいくことが大事であります。
このnoteをよりいいものにして、競泳の現場で使える、選手・指導者のサポートにつながるnoteにしていけたらいいと思っています。 記事がもし役に立てば、ぜひサポートよろしくお願いします。