ひのはらみめい

精神科の訪問看護をしながら物を書いたり読んだり好き勝手やっています。文鳥が好きです。

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最近の記事

ラーメンは美しい?

月も星も綺麗だな、紅葉も、鳥の羽も 目のある生き物が生まれる前の世界も綺麗だったのかな 三葉虫が出てくるよりも前。 花や鳥は誰かのために綺麗、あるいは、みずからが生きるために綺麗。 では月や星は誰かのためでもないのに綺麗? 色彩の感覚も生物によって変わるし、眩しいのとかが嫌いな生き物もいる、と思うと月や星は他のどこかの生き物にとってはブエーって感じなのかな 美しく見ようとすることでそれが美しくなる、 美しいなと思いながら、綺麗さを期待しながら見るから、それは綺麗だっ

    • 「庭」稽古日誌全集

      ぷろじぇくと⭐︎ぷらねっと 詩人と役者の朗読劇「庭」2024 アリス役そにっくなーす(稽古場でのコードネームは「そにス」)が個人的な趣味で書いていたX(旧Twitter)の稽古日誌の全記録です。 時が経つとポストはどっかに消えてしまうのと、わたしが自分の文章に対して異常にナルシストなので読み返したいためにここに転載します。 8/23 いろんなわたしになりたい。いろんなわたしでありたい。おもしろい。ばかでくだらない。若者が失敗しやすいように誰よりも華麗に失敗をして誰よりも誠実

      • さよならアリス。

        寂しくて放心している。 8月からの稽古の日々とか振り返って、あ、もう稽古場のあったあの駅には行かないんだ、とか。仕事の疲れを抱えたり気持ちを引きずったりしながらバスに乗っていた時間を思い出したり。アリスについて考えたり、なやんだり。わたしにとっては大きくて重たい出来事が、言葉にするとふつうすぎる。もっと大事件なのに。 なんか部活みたいだった。なんか青春みたいだった。台本の表紙にみんなで書きあったサインみて、あれだけ一緒にいたのにきょうはじめてみんなの手書きの筆跡を目にした

        • 庭、アリスと不思議なマイクロフォン

          終演後、わたしが帰ろうとしたら誰も触ってないマイクがきゅうにバチボコって音を立てた。風とともにあらわれた服部剛さんが、「誰かいるよぉ、おれ誰だかわかるよぉ」と酔っ払った顔で言った。 「鶴山さんでしょ」 わあっ、まじ!?という気持ちと、そうだよねぇ!という気持ちが入り混じる。 ZULUさん、観にきてくれていたの? ZULUさんがあの場所で、ZULUさんの大切な宝物みたいな詩をわたしに読ませてくれたあのマイク前の景色を思い出す。わたしのふざけた声。腹から声出せ、マイクとはこ

          龍をおもう 朗読公演「庭」によせて

          10/22の詩 「龍をおもう」 真っ暗闇の中でひとりで風を浴びていると口をついて「龍をおもえ」の詩が浮かんでくる、一言一句正確ではないが、一部が思ったより頭の中のあらゆるところに散らばって隠れていて、何回かもごもごと振っているうちにぽろんぽろんと意外なところから次の言葉が出てくる、わたしとともにある、 みっつめ、よっつめの足跡があとからあとから、思い出したみたいに一番欲しかったことばを鳴らして砂にあとをつけていく、 適応するために、生きていくために私が捨てなければならなかっ

          龍をおもう 朗読公演「庭」によせて

          こいつたちがいる!

          きょうは、わたしの手持ちモンスター(?)の話。 仕事でヒトの困りごとを聞いているとき、自分の顔に「解決したい虫」がくっつく。こいつは煩わしくて、身勝手で、ぶんぶんうるせえし、早くパチンとやってくれと言わんばかりに私の顔の細胞を爪でほじほじ、さわさわしてくる。くっつくというか、たぶんこれは自分から出てきているものなので「わきでる」と言ってもいいかもしれない。 「解決したい虫」はずっと顔に纏わりついて気持ち悪いからすぐ取り払いたくなる。あんなことこんなことに困ってるんですとヒト

          こいつたちがいる!

          回想録

          電車を降りると発車メロディに合わせた軽快な口笛が聞こえる。誰が吹いているのかはわからなかった。ヘッドホンからちいさく音を流しているのにわたしの耳にちゃんと届いたということはきっと、わりと近くにいたにちがいない。 数日前、品川から関西方面に向かうときに聞いたことのある発車メロディを朝の支度中にCMで聴いた。郷愁に見舞われた。大体9月ごろ、毎年のようにわたしは関西に行っていた時期があった、と思った。別にもう2度と行けないわけでもない。むこうには友達もたくさんいるし、いまでも連絡

          死にたいが溢れ出そうな盃に月を映して飼育している

          1〜2週間のあいだ仕事でのイレギュラーがあんまりにもたくさんあって、始まる前はわくわくしたりしてたんだけど実際はほんとうにきつかった。 事前にこれやばいなとは思っていたから無理にでも早く寝るって決めて実践してたけど娯楽を我慢して寝るのがストレスになったり早朝覚醒しちゃったり全不眠があったり頑張って寝てる割にスッキリしなかったりで全然良くなかった。いや、努力して寝なかったらもっとヤバかったのかな?利用者さんのマネして毎日睡眠日誌まがいのメモを記録していた。ほんとは発声とかの練習

          死にたいが溢れ出そうな盃に月を映して飼育している

          シャンプー

          気分で替えて後悔したシャンプーをきょう使い切った。 いつものじゃなくて、私がまだ若くて恋をしていたときに、好きだった人が好んでいたシャンプー。 いつも使っているトリートメントと匂い的に相性が悪くて、使いはじめてすぐは捨てるかどうかかなり迷ったけど生来の貧乏性が勝って今日使い切るまで毎日使い続けていた。 使ってみれば案外カラーとの相性が良くて、前はすぐに金髪化していたのに今回のシャンプーとコンディショナーだとそういうことがない。ちゃんと潤いも維持されていたし何ら困ったことはなか

          今日のところは僕が1番最高だってことにしてくれ

          Kotoba Slam Japan2024東東京大会、お疲れ様でした。 優勝しました。 5年連続全国大会出場ですが、なんだか自分でもよくわからない、執着という名の狂気みたいな感じがします。 ほんとにお世辞でもなんでもなくひとりひとりの詩がすごく沁みて、でもなんとなく「良かったです」みたいな気の利いた言葉にならなくて、会場でもうまく話せなかったし頭パンクしてたから終わった後すぐに帰ってしまいました。 詩に限らず音楽でも演劇でも映画でも、いいものを見ると頭がパンクしてこのままあっ

          今日のところは僕が1番最高だってことにしてくれ

          本の話

          まとまった文字数で本のことを書こうと考えていたらnoteに「読んだ本について書いてみましょう」って言われて、なんでバレたんだろう、と、ちょっと怖くなりつつ書く。 過去。 図書館にいるしかなかった平日昼間。 あのとき、黒い犬に振り回されて噛み殺されそうになっていたとき、救ってくれた本のことをいまでもときどき思い出す。 般若心経の現代語訳と、枡野浩一の「寂しいのはお前だけじゃな」と、伊集院光の「のはなし」シリーズ。 いつものじゃ駄目だった。元気な時は、サブカってて残酷で刺激

          あなたの趣味はなんなの?

          「趣味はなんなの?」「どんな小説書いてるの?」が、むちゃくちゃ返答に悩み時間がかかりまくる質問ツートップであります、の話。 趣味を伝えようとすると、得意分野?とか専攻?みたいなものが頭に浮かぶ。惹きつけられて、興味あってちょっと詳しい分野というか。いやでも専攻と言えるほど学問的に深めているわけではなく、ただ気になったらちょっと読み漁ったりあちこち言ってみたりするだけで、それこそ、命懸けでない方のライトなものでしかないのだけれど。たぶん、胸張って好きと言うにはある程度「把握」

          あなたの趣味はなんなの?

          なんでそんなに自信があったんだろう。

          なんでそんなに自信があったんだろう。 なんとかなると思ってた。なんとかなると思うので精一杯で、たぶん毎日台風みたいな自分の脳内のいろいろをやりすごすので精一杯で、いそがしくて、とりあえず深く考えずに「ほしい」と思ったら近づいて、抱きしめて、「なんとかなる」と思ってたんだろう。 将来をきちんと見越して悲観していれば、多分看護師にはならなかった。「体が不自由になるかも知れない、そしたら看護師なんてできない」とかって、思いもしなかったのだ。それどころじゃなかったから。好きな男と

          なんでそんなに自信があったんだろう。

          あたらしいさんすう

          小学校とかの教科書のタイトルに「あたらしい」がつくことが謎すぎて、何と比べてあたらしいんだろうといつも思っていた。なんでそんなことをきゅうに思い出したかというと新しくて軽いパソコンを使い始めたから。長い文章でもかいてみるかと思ってタイピング練習がてらTwitterに入りきらなさそうなつぶやきをここに意味なく散らしてみようと思ったのだった。 愛情が濃い人や内省的な人の文章にすごく惹かれてしまう。ついつい読んでしまう。どうしてこんなにも文章が上手なんだろう。たぶん頭の中で「こと

          あたらしいさんすう

          地元の映画館がなくなる

          地元の映画館がなくなる。寂しい。受験をとりあえず終えて、まず行ったのは映画館だった。「マリーアントワネット」。初めて一人で映画を観た日だった。その日、映画に行くということも、行ったということも誰にも言わなかった。私が親の許可や干渉なく一人で好きなことをした、初めての日。独立記念日。 子供の頃、映画館の外の階段の下まで並んで幼馴染とその母親と3人でポケモンの映画を観た。幼馴染の男子は3歳の頃からの付き合いで近所の子だったが、いつも意地悪をするので大嫌いだった。妹を不慮の事故で

          地元の映画館がなくなる

          2/17、新宿の目自動筆記

          イベント梯子して頑張った気になったので新宿の目に挨拶に行ってきた。目は埃をかぶっていた。瞳の中のひとつひとつの模様に指を這わせて泣いた。少し叩いても光りもせず叩く音も地下に吸い取られていった。当然回ったり別の部屋に続いてるわけでもない。 でもこの目は、わたしが愛する場所に置いてきたわたしのもうひとつの目なのだと、わたしは信じてやまない。この目にふれるたび、わたしは何かを見るのだ。見つけるのだ。見出すのだ。なんでもっと早く思い出さなかった?鳩は寝る時間を過ぎても黒い顔で夜歩き

          2/17、新宿の目自動筆記