「知財実務オンライン」観戦記|これからの時代、ノウハウは出すもの?
今日はYoutubeで「知財実務オンライン」を視聴しました。
このコンテンツを見ていて、知財業界も変わったなぁと感じました。今と昔では「情報」というものの意義が変質しています。
自分の思うところをまとめてみます。
▶「知財実務オンライン」について
知財実務につき、高度な内容を含む戦略等について発信するチャンネル
です(チャンネル概要より)。
運営者は弁理士の加島広基先生と押谷昌宗先生です。
▶本日の「知財実務オンライン」の内容
通常、「知財実務オンライン」は木曜18:30からのスタートですが、今回は特別編。
タイトルは、「前代未聞!自分たちの商標登録出願に対する情報提供を題材に、 商標の登録可否を検討する」です。
どういうことかというと、
① この「知財実務オンライン」というネーミングを商標登録しようとした
②「この商標を登録するのはけしからん!」という人が出てきた。
③ その人が特許庁に色々な証拠書類を送りつけて(情報提供)、登録を邪魔しようとしている
ということなんです。
自分たちの事をネタにする、まさに身を切るような企画(笑)
今回は、4人のゲスト弁理士が2対2で、「知財実務オンライン」は商標登録を認められるのか、認められないのかを議論するディベート形式で行われました。
参加選手は、
Aチーム(「知財実務オンライン」は商標登録を認められる)
廣田 美穂先生(あいぎ特許事務所副所長)
中村 祥二先生(Markstone知的財産事務所 代表弁理士)
Bチーム(「知財実務オンライン」は商標登録を認められない)
土野 史隆先生(特許業務法人Toreru COO / パートナー弁理士)
岡村 太一先生(ブランデザイン特許事務所 代表弁理士)
主な争点は、商標の識別力。
「知財実務オンライン」という表示が、
● その業界の人ならごく当たり前に使うような表示にすぎないのか?
● それとも商品・サービスの提供者を示す固有の表示になっているのか?
が争点となりました。
「●●オンライン」って、一見、何かのコンテンツをweb配信する場合に当たり前の表示に見えますよね?
それでも、Aチーム(商標登録を認められる)の先生方は、「オンライン」の位置に着目し、
● 「●●オンライン」は「●●」が強い識別力を示す場合の表示方法(例えば、「信長の野望 online」等)
● 「知財実務」という文言はこのパターンに当たらないから、「知財実務オンライン」を一つの造語として評価すべき
という論理で反論を試みていたのが印象的でした。
4人の先生が法律的な観点から、或いは過去の審査・審決の事例から、ロジックを組み立て、議論を戦わせる。
非常に見応えのある対決でした!
▶本日の「知財実務オンライン」を視た感想
随分、時代は変わったなと思いましたね。
ヤマダが化学メーカーを退職し、特許事務所に転職したのは平成8年(1996年)。もう四半世紀も前のこと。
当時は実務に関する情報源は書籍くらい。実務は教育担当の弁理士に教わるのが一般的でした。例えば、特許の出願書類作成は「職人芸」と称されるほどノウハウが属人化していて、そのメソッドは殆ど体系化されていませんでした。
幸い、ヤマダはとある事務所に勤務していた時代に、懇切丁寧に教えてくれる教育担当の先生に当たったんですよね。その先生に自分が作った案文を真っ赤になるくらい修正してもらい、徹底的に鍛えられました。
この経験は今でも活きています。まさに門外不出、一子相伝の技術!
ところが、最近ではすっかり様相が変わりましたよね。色々な弁理士の先生がSNSやYoutube等を通じて、貴重な実務情報を発信しています。
昔だったらありえないですよ。他の事務所の先生が飯の種となる虎の子の技術を公開してくれるなんて。いい時代になったもんです。
でも、その先生方が損をしているかというと、そうではないですよね。情報を発信する人の元には更に情報が集まってくる。良い人材も集まってくる。
逆に古臭い情報を後生大事に秘匿している人はガラパゴス化していく…。
まさに情報革命、情報発信の時代だなぁと感じました!
今日の動画を貼っておきますね。
ぜひ、4人の先生方の熱の入ったディベートをお楽しみください。
「前代未聞!自分たちの商標登録出願に対する情報提供を題材に、 商標の登録可否を検討する」
もしよかったら、ヤマダの登場回も視てくださいな(笑)
では今日はこの辺で。
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