装飾的なだけがデザインじゃない。機能的デザインの世界
薔薇よーり美しぃーいー。あぁあぁあ、君はー変わーったー♪
バッチリメイクより、ナチュラルメイクが好きなヤマダ(@sweetsbenrishi)です。
今日は、デザインと美について語ってみます。
デザインには装飾的デザインと機能的デザインがある
今朝、こんなTweetを見かけました。
よく見かける地下鉄入口の路線マークです。
これ、改札までの距離が近い順に並んでいるんですって! この写真の例だと、左端にある東西線の改札が一番近くて、右端にある都営三田線の改札が一番遠いということです。
知ってました?
ヤマダはこのTweetを見るまで知りませんでした。というか、並び順すら気にした事がなかった。東京メトロのヘビーユーザーなのに!
つまり、地下鉄入口の看板のデザインは各路線のマークを色相の順等、美的な意味で並べたわけではなく、マークの並び順自体に機能的な意味がある。単に美しさを追求した装飾的なデザインではなく、機能的な役割を持たせたデザインだ、ということです。
ピクトグラムなんかも機能的デザインの一種と言えそうです。
例えば、こんな感じのやつね。
言葉の説明がなくても、絵を見ただけで、「ソーシャルディスタンスを保って!」というメッセージが伝わります。
来年、東京オリンピックが行われれば、世界中から沢山の選手や観戦者が訪れます。その母国語は多岐にわたる。そういう時に非言語の伝達手段であるピクトグラムは大活躍しそうです。
ここで言っている「機能的デザイン」は、デザイン自体が機能的な役割を持っているものを指しています。
実は弁理士もデザインを扱っています
僕ら弁理士の仕事の中にもデザインを扱う分野があります。
それが、意匠登録です。
「意匠」とは、ざっくり言えば、商品デザイン(プロダクトデザイン)のことです。抽象的なデザインではなく、物に紐付いたデザインですね。
商品デザインを意匠登録することによって意匠権が与えられます。意匠権を持つことで、登録されたデザインの商品を独占的に製造・販売することができ、他社の模倣品等を排除することができるんです。
しかし、最近ではデザインの重要性が高まっていて、商品デザインを保護するだけではデザイナーさんの生み出す付加価値を十分に護ることができていませんでした。
そこで、今年(2020年)の4月に施行された改正意匠法では、建築物のデザイン、内装のデザイン、電子機器の操作用画像のデザイン等も意匠法で保護されることになりました。
より詳しく知りたい方は、ヤマダのお友達弁理士・押谷先生と加島先生が出版されたこの本をどうぞ(ヤマダも即買いしました)。
令和元年改正意匠法の解説および新たに保護される意匠の実践的活用テクニックの紹介
プロダクトデザインの世界
その昔、故・高田忠先生がそのご著書「意匠」の中で、
美には装飾美と機能美がある。機能的なものは美しい。
という趣旨の記述をされていました。プロダクトデザインの中にも機能的なデザインが存在するということですね。
プロダクトデザインの「機能的デザイン」は審美性と機能性を共存させたデザインと定義しておきます(ヤマダ説)。
この「機能的デザイン」を堪能することができた展示会がありました。「㊙(マルヒ)展 めったに見られないデザイナー達の原画」という展示会です。先日(2020年9月11日)、ヤマダも観に行ってきました。
冒頭の食器の写真もその時のものです。
この展示会ではプロダクトデザインにかけるデザイナーさんの凄みというのを見せつけられました。
中でも、ヤマダが目を奪われたのは、柴田文江さんのデザインするプロダクトとそのデザインスケッチ。
デザイン案の中に、
「外観体積は2mm3だけ増えました」
とあります。
商品というものには果たさなければいけない機能がある。その厳しい制約の中で「美」というものを追求していることがよく分かりますよね。
最近では、商品の性能だけでは人の心を動かすことができなくなってきました。今後、人の感情を動かす要素としてプロダクトデザインの重要性が増していくでしょう。製造業の方は「良い商品」の定義を変えていく必要がありそうですよ!
今日のまとめ
では、今日のまとめです。
● デザインには装飾的デザインと機能的デザインがある
● 機能的デザインには、デザイン自体が機能的な役割を持っているもの(地下鉄入口の看板、ピクトグラム)や審美性と機能性を共存させたプロダクトデザインがある
● 実は弁理士もデザインとの関わりがある(意匠登録)
● 今後、人の感情を動かす要素としてプロダクトデザインの重要性が増す
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