久しぶりにウイスキーのことなど
最近はパーリンカやシードルの沼にハマり気味な僕のお酒ライフだけれど、今日は久しぶりにウイスキーのことを書いてみよう。
つい先日、少し面白いものを手に入れた
サントリー角のオールドボトル(推定1970年代)だ
当然ながら1989年の酒税法改正前のいわゆる「特級表示」のボトルなのだが、見た感じ状態も良く封も切られていない。
「これは面白いテイスティングができる」と思い立ち
さっそく家で現行品の「サントリー角」とオールドボトルの「サントリー角」を飲み比べてみた。
今日のnoteはその個人的テイスティングノートとなる(あくまで僕個人の感想ということでご容赦いただきたい)
まず二つを並べてみた。
左が現行品、右がオールドボトルとなる
ボトルの形やラベルの感じが大きく違うのが見て取れる
また、色も現行品はオールドボトルに比べると少し濃いめの茶色に見える(多少の光の加減はあるかもしれないが・・・)
特徴的な亀甲のデザインはオールドボトルの方がよりハッキリとしている。
他にもサインの位置や、フォントの飾りの違いなどもあるが何より味にいってみよう。
まずは現行品から
香り:オーク樽由来のバニラや蜂蜜などのウッディで甘い香りと奥にリンゴっぽい香りも
味:麦芽の優しい甘さ、アルコールのアタックも少なく滑らかで非常に飲みやすい鼻に抜ける香りも刺激的ではなくマイルド
後味:ストレートで飲んでも後味はしつこく残らずスッと消える
高級なブレンデッドウイスキーには及ばないまでもさすがのクオリティのサントリー角(現行品)、これほどのクオリティをコンビニでも買えるレベルで出せるのは本当に凄いと思っている。
では続いてオールドボトル(1970年代)へ
香り:ツンとするアルコールのアタックが先に来るけど、その奥にしっかりウッディな甘い香りも居る
味:やはり先にアルコールや強めのウッディな感じが立つけど、その奥は麦芽の甘さがしっかりと居る
後味:樽のニュアンスが仄かに残る
香りを嗅いでみて最初に感じたのは「強い木の香り」これは長期の保存によるものかもしれないのでボトルを少し空気に触れさせて混ぜてみると、少し落ち着いたが、その先にアルコール臭が少し鼻をつく
しかし、それを探っていくと樽由来のバニラっぽい甘い香りもしっかりと存在している。
味は分かりやすい表現をすると「最中の皮」や「ウエハース」のような感じ、これを「パサつく」と感じる人もいるのも頷ける。
飲んだ後は口の中に樽のウッディな感じが仄かに残りこれまた心地よい。
少し加水するとアルコールのアタックが和らぎウッディさを残しつつもスムースな感じに変化し、バニラのほかにオレンジやミルクチョコレートっぽい香りも開いてくる。
両方を飲み比べた感想としては
現代人に向けて「非常にスムースで万人受けする味、飲みやすいお手頃ウイスキー」の現行品と、昭和の時代に当時の人達が求めたのかもしれない「個性が強調されハッキリとした味わい」のオールドボトルというのが率直なところだ。
ひょっとしたらボトリング直後に飲んだらまた違った味わいだったかもしれないと思うと楽しい妄想が膨らむところ。
たまにはこうやって自分の中での「味を言葉に表現する練習」もしていこう