シーシャに魅了され、シーシャ屋店長になるまで【SWAY×BRO SHISHA STUDIO】
こんにちは、ライターの伊藤美咲です。
今回は、高円寺にあるシーシャ専門店「BRO SHISHA STUDIO」とのコラボ企画として、「SWAY 渋谷松濤」店長・井戸悠登と「BRO SHISHA STUDIO」店長・前田大吾さんの対談を3記事にわたってお届けします。
井戸と前田さんは1年ほど前に知り合い、昨年末に「SWAY magazineで対談したら面白いのでは?」という話になったことから、今回の企画が実現。
1記事目ではそれぞれがシーシャに出会ったきっかけや、シーシャを提供する側になった経緯などを語るなかで、お互いに知らなかった過去やエピソードが明らかになりました。
シーシャを初めて吸ったときに「美味しい煙ってあるんだ」と思った
井戸:まずは改めて、お互いの自己紹介から。僕は小学校卒業後から9年間上海に住んでいて、3年前に日本に帰ってきました。今24歳で、今年の2月から「SWAY 渋谷松濤」の店長として働いています。
前田:中国にいたんですね!そしたら中国語も話せるんですか?
井戸:もちろん。中国の方が来店したときは、中国語で対応しています。
前田:グローバルですね。僕は2021年に高円寺駅の近くに「BRO SHISHA STUDIO」というシーシャ屋を兄と作りました。実の兄弟で経営していることから「brother」の「BRO」という名前がついています。
高円寺はいろいろなカルチャーが集まる場所なので、他店との差別化を図るために、他のどの店にも使われていない「STUDIO」という言葉を取り入れました。
井戸:どのような経緯で兄弟でお店を始めたんですか?
前田:兄が20歳の頃に病気を患ったのですが、闘病を経て元気になったときに、やりたいことがたくさん出てきたようで...!そんな兄がやりたいと言ったことのひとつが、シーシャ屋でした。
井戸:兄弟で経営しているとは聞いていたけど、そんな背景があったとは...。前田さんがお店をやろうと思った理由はあるんですか?
前田:今、僕は大学院生を休学している状態なんですが、就活時に最も行きたいと考えていた企業のインターンに参加して結果も出していたのですが、「自分のやりたいこととはちょっと違ったかも」という気持ちもあって。自分のビジネスを始めてみようと思い、兄とシーシャ屋を始めることに決めました。
井戸:お兄さんとの役割分担はどうされてるんですか?
前田:兄は基本的には店舗に立たず、ブレインのような立ち位置ですね。週に1回は必ずミーティングをして、お店をどうしていくかを一緒に考えています。
井戸:前田さんがシーシャにハマったきっかけって何だったんですか?
前田:兄が友人から自宅用のシーシャセットをもらったことが、きっかけですね。僕も興味を持ち、兄と一緒にハマっていきました。
井戸:お店を始める前から、お兄さんと一緒にシーシャを吸ってたんですね。
前田:僕は6人家族の4人兄弟なんですが、そのうちの3人がタバコを吸うんです。その影響で昔から煙というものに憧れを抱いていて(笑)。でも僕は喘息持ちだし、20歳のときにタバコを吸ったときも喉が痛くなってしまって吸えなかったんです。
それから煙とは無縁の人生だと思ってたんですけど、21歳のときにシーシャを吸ったときはすごく感動して。それからシーシャにのめり込んで、22歳のときに別のお店で修行して、23歳でお店を立ち上げました。
井戸:シーシャのどんなところを面白いと思ったんですか?
前田:まず、「煙を出す」という非日常体験が味わえること。そして「美味しい煙ってあるんだ」と発見があったことですね。
みんなでラフに楽しむ中国のシーシャ文化
前田:井戸さんのシーシャとの出会いは?
井戸:中国のバーのなかには、1000円ほどでシーシャが吸える場所があります。それをみんなで回しながら吸う文化があるので、シーシャ自体は以前から身近な存在でした。でも、身近だからこそシーシャにのめり込むことはなかったんです。
前田:なるほど。
井戸:だから日本に帰ってきてから、シーシャの専門店があることに驚いたんですよね。「おもしろそうだな」と思って行ってみたら、シーシャのクオリティも高いし、お店の雰囲気もよくて、ハマっていきました。それから友達を誘ってよく行くようになり、もっとシーシャの文化を広めたいと思うようになったんです。
前田:中国のシーシャはどんな感じなんですか?
井戸:ライターで着火できる炭を置いて、その炭が無くなるまで煙を吸って吐く感じでした。味は「なんとなくフレーバーの味がして美味しいな」くらいで、日本ほど繊細な味はしなかったと思います。
前田:ラフにシーシャが吸える環境だったからこその、親しみやすさはあったのかもしれないですね。
店長おすすめのシーシャフレーバー
前田:井戸さんが最近ハマっているフレーバーはありますか?
井戸:僕は、最近Azureの「ルートビアー 」というフレーバーにハマっています。それこそクセのあるフレーバーなので、どうしたら美味しくなるかを研究するためによく使っていますね。
もともとルートビアーはアメリカのノンアルコールビールで、味のイメージとしてはドクターペッパーに近いと思います。ルートビアーにはバニラなどの植物の成分が含まれているので、植物系のパンラズナなどがおすすめですが、対極にあるフレーバーと合わせて中和させても良いですね。
前田さんのおすすめフレーバーはありますか?
前田:僕は上級者向け・中級者向け・初心者向けでおすすめを変えているんですけど、まず初心者の方はDOZAJの「カシミール」と、SWAYさんも開発に関わっている「Japonesque」シリーズの「早乙女」をおすすめします。中級者向けはダブルアップル、上級者向けはMustHaveの「ピンクマン」ですね。
井戸:「Japonesque」シリーズ使ってくれてるんですね、ありがとうございます!
前田:僕は酸っぱい風味が好きなので、最近はグレープフルーツとベリー系にハマってます。最近はフレーバーを考えるときに、「唾液が出やすいか」を意識していますね。
酸っぱい食べものは唾液が出やすいと言いますが、唾液が出ると味を濃く感じやすいんです。レベル別におすすめしたフレーバーも、全部唾液が出やすいものだと思います。
お酒を飲む人も飲まない人も、2次会でシーシャ屋へ
前田:僕はお酒が得意じゃないというのもあって、2次会でシーシャ屋に行くことも多いんですが、井戸さんはどんな場面でシーシャ屋に行ってましたか?
井戸:僕も2軒目で行くことが多いですね。
前田:これまでは2次会といえばお酒を飲むイメージが強かったですが、シーシャ文化が広まってきたことで、2軒目にシーシャ屋を選ぶ人が増えましたよね。お酒が得意じゃない人がシーシャにハマる傾向にあるんですかね。
井戸:僕はお酒好きですよ。でも「2軒目はお酒そこまで飲まなくていいかな」という気分の日や、しっぽり過ごしたいときもあるので、そういうときにシーシャ屋に行きます。最近は「シーシャ流行ってるよね」と言われることもありますが、「シーシャの文化が広まってきてるな」と実感した瞬間ってありますか?
前田:コロナ禍でコワーキングスペースとしても利用できるようにしてから、お客様が増えました。なので、以前は「店が開いてるからシーシャ屋に行こう」という動機だった人も、今は「シーシャを吸いに行く」という目的で来てくれるようになりました。
井戸:シーシャにアングラなイメージを抱いていた人も多いと思うんですけど、コロナ禍をきっかけに体験したことでイメージが変わって、シーシャ自体を楽しめるようになった人も多いんだと思います。
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今回は、それぞれがシーシャにハマったきっかけを語ってもらいました。
美味しい煙を追求するふたりの店長おすすめのフレーバーをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
次回は「個性とシーシャはどのように紐づくのか」をテーマに、それぞれのこだわりのシーシャについてお話をお伺いしていきます。
執筆:伊藤美咲 / 撮影:琴
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