魔法をかけて
人には誰しもコンプレックスというのがあるだろう
私だってある
ズバリ、顔である
自分の姉氏はとても美人でma mèreとmon père
の良いとこどりをした子なのだ、
対して、私は幼き日は姉氏に似て可愛いだのなんだの
言われてきてはいたが、気づけばそれも無くなっていた。
そして、彼女は幼少時からよくモテる、
もう一度言っておこう、とにかくモテた。
妹である私の小学生の頃の運動会に
姉氏が見に来ているから来たという
男の子までいるくらいには
(いや、たかだか小学生の運動会に何しに来てんのよ、
アータは😓と思ったけどね、)
まぁ、少し彼女に対する僻みも入っていると
自覚はしてるが、妹はこれか?と思われるのも
正直嫌だったのだ。
そして、私も成長して少しはそんな気持ちも
薄れてきていた。
そこでコロナも到来してあのマスク生活が
始まったわけよ。
まぁ、マスクというのは安心できるもので、
顔の大部分を覆い尽くし、外に出るのは鼻より上だけ、というね、
さらに言えば、表情が見えにくいため
思っていることが顔に出やすい私には大変ありがたいアイテムだった。
それに安心しきっていたから、
最近になってみんながマスクを外し始めて
正直焦ってる、というか相当焦ってる
あぁ、また顔を晒さなければいけないのか、と
そこで気づくのだ、人に顔を見られるのが怖い頃の
あの気持ちがまだあることに。
私は特別美しいわけでは決してないが、
しかし、なぜか「お顔が小さいのねぇ」だけは
言われてきた。
なんか、一般サイズではないらしい?
(いや、ほんとかよ?
世の中小さい方なぞ他にいるで?)
そのせいかチラ見程度に顔を見られたり、
電車で目の前に座る人にじっと見られたこともあった
(いや、見なくて良いから、
私もそちらは一切気にしないので…)
だからこそ、本当に顔に関してはなんか嫌なのだ
ルッキズムも良くないものとして評されてる
今日この頃、そろそろ私も自分の顔への苦手意識を
なんとかしたい、
そして、マスクをつけない今
私は毎朝お化粧という魔法をかけていく
乾燥したり、神経の乱れから「よっ!」みたいな
勢いで出るニキビさんにもコンシーラーという
お布団をかけて隠れて頂く。
そして人並みになっただろう顔にリップをさして
完了だ。
このお化粧というのは
すごいもので、
終わってみると素の顔よりは「外に晒せるかなっ…」
という気持ちにしてくれる
私の弱い心までがアイライナーの跳ね上げのように
キリッとただされるのだ。
さぁ、これで準備は整った、
今日も一日人間として精一杯生きていきましょう。