ロック・バンドは結局は歌であり、結局は曲である Homecomings『see you,frail angel.sea adore you.』
ボーカル畳野さんの歌が良すぎる、上手すぎるだろとずっと思ってしまう。芯のある強さと、あどけなさのようなものも感じる。日本的な感じもあり、私は何故かジブリっぽい世界観があるなと思う。
そんなアナログ感あるボーカルと対照的に、今回のアルバムはデジタル的なグリッチノイズやエレクトロニカ、エッジが効いたシューゲイザー味がある曲が集まっている。
この曲と歌が、水と油のように反発しあいながら混ざっている感覚があり(違和感と言ってもいいかもしれない)、それが凄く新しく聴こえる。言い換えれば、ボーカルが曲に擦り寄っておらず、曲に介入させないぐらいの強さを感じ、畳野さんの歌の強さが結果的に浮き彫りになっていると思う。
homecomingsは今の延長線上でブラッシュアップしていくバンドという勝手なイメージがあったが、今回のアルバムに関しては今持ってるものごと別の時空にワープしてしまっているような感覚がある。全体に散りばめられたグリッチノイズは私はどこか脳内の電気信号のように感じ、別の時空で頭痛を伴うぐらい高負荷で脳内のこれまでのものが整理されていくような感覚で聴いている。一方で、亀田誠治プロデュースの曲など、今回でより大衆に開いた曲もある。
私は音楽を聴いたときの感動をなんとか日常に活かしたいと思う人なので、どちらかというと延長線上のブラッシュアップ的人間なのですがたまには全く新しい場所で自分の再構築をしてみたいとかそういう気持ちになりました。
亀田誠治プロデュース曲。凄く良い。
アルバムのラストを締める、このアルバムの世界観を決定づける曲。石川の震災を連想させる曲でもある(インタビュー記事で言及あり、メンバーは石川出身)。