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2020年10月の記事一覧
【俵万智の一首一会⑨】稀代のエンターティナー
落ちてくる黒板消しを宙に止め3年C組念力先生 笹公人
笹公人は、第一歌集『念力家族』から一貫して、読者ファーストの歌人だ。もちろん大抵の歌人は、歌集を出す時には読者を意識するし、推敲には読者の目で見ることが大事だと言われたりもする。ただ、この人は、そういうレベルではない。読者をいかに楽しませるか。そこに賭け、結果「楽しませた自分」に、ようやく安堵している感じがする。
短歌は一人称の文学