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プロじゃなきゃ、ダメなんですか?

「1位じゃなきゃダメなんですか?2位じゃダメなんですか?」
という言葉が一時期世を席巻したのを覚えてますか?笑
それをもじってみたんですがw

こんな入りで、ちょっと今日は触れてみたかった、不思議な現象ことを書いてみようと思います。

それは、

「演劇、音楽、美術、漫画や書き物などの芸術分野は、なぜプロではないと活動してはいけないという風潮なのか?」

ということです。

僕は自分の特性上、演劇、舞台というものが一番身近なので。
そこについて思うことを書いていこうかなぁと思います。

なぜかアマチュアとして認められにくい

たとえば

野球をやってます、とか。
料理をして振る舞ってます、とか。
刺繍をしてます、とか。
家具を自分で作ってます、とか。

よくあるアマチュアな、それこそ趣味だとは思うんですよね。
僕はそれと同じように

役者をやってます、とか。
バンドをやってます、とか。
漫画を描いてます、とか。
小説を書いてます、とか。

並び立っていいような気がするんですが。

どうも後者の派閥は、お金目的ではなく、趣味としてやってるという体で話しても、

「え?プロなの?」

という切り口から話が進むことが多いようにどうしても感じているのです。

僕の周りだけなのかもしれませんが、後者の活動を見て同じことを感じている方はいらっしゃるのではないでしょうか。
note界隈には、結構少ないような気もしますが。。。

よくよく考えて欲しいのですが、
前者の活動にもプロの方はいらっしゃいますよね?

なのになぜ、後者の方はやっているだけでプロじゃなければならないんでしょうか。
不思議な現象です。。。


「プロにならないの?」というプレッシャーを与えられる

最も不思議な現象がこれです。
役者をやっている人からすると、しばしば言われたことがあるのでは無いでしょうか?

もちろん、僕はずっと役者や舞台で何かを成そうとする気持ちがあるので。
プレッシャーを与えられても致し方ないか、、、と思っています。

舞台をやればお金を頂きますし、クオリティの高いものを作るという意識を常に持っています。

ただ、結婚して、ここまでの活動を振り返って、舞台だけで全てを賄うのは、現状無理があるとは感じています。

しかし、趣味として芝居を楽しむ人たちにも、こういう言葉をかける方をしばしば見ます。

プロにならないんなら、やっても意味ないんじゃないの?
お金にならないことやって、楽しいの?
時間かかるし、他のことやった方がいいんじゃないの?

一言で言ってしまえば、余計なお世話なんですよねww

前者の話にも書きましたが、たとえば野球をアマチュアとして活動していて、それはこの三項目に当てはまらないんでしょうか?

…当てはまりますよね?w

アマチュアだ、と割り切ってやるのであれば、好きなことをやるのは本人の意思です。

舞台や映画に出ようが、
ライブに出ようが、
それはOKなはずです。

が、なぜか続けていくにはプロになるしかない、という風潮があるので。

芝居が好きなのに、役者を辞めなければならない
音楽が好きなのに、バンドを辞めなければならない

ということが、多く起こるのではないでしょうか。
特に、この一年間、俳優活動ができずに、辞めなければならなくなった方を多く見てきました。

プロ野球選手を目指していた人が、アマチュアで野球をやっている、というのは聞いたことがありますが。

プロの俳優を目指していた人が、アマチュアで俳優をやっている、ということを、僕はほとんど聞いたことがありません。

なんでこんなことになってしまうのか、僕は結構悲しみに暮れていることが多いのです。

その原因の一つとして、この周りからのプレッシャー、というのがあるのだろうなと、感じているのです。

趣味として、成り立ちにくい原因も、たくさんある

と、ここまで趣味として成り立ってもいいじゃないか!

ということを書いてきたんですが、
確かに、趣味として成り立たない原因もかなりあると感じています。

一番大きいのは、芸術分野のものは大抵、

「誰かに観ていただかないと成立しない」

ということで、
且つ、観ていただくために大抵の活動者が

「お客様からお金をいただいている」

ということだと思います。

お金をとっている以上は、プロでしょう

というのは、正直分からなくはないのです。

演劇を作るのにも、場所が必要です。
公演する場所を借りる、衣装や小道具を作る、稽古をする場所を借りる。

そんなことをやっていると、びっくりするほどお金がかかり、お金を取るという選択になっています。

しかし、野球もやる場所が限られていますし、お金もかかります。
彼らは誰かを呼んで、お金を取るなんてことをしません。

なので、ここはお金を取る言い訳にはならないんだろうなぁ、と感じています。

言い訳がましいことを言うならば、こういった施設が、全般的にプロ向けにしか作られていない、と言うのもデメリットの一端だろうと思います。


且つ、特に演劇に関しては兎にも角にも活動時間がかかります。

なので、他の仕事をしながら、活動がしにくい。

という最大級の欠点が存在します。

舞台公演をやるには、一週間程度の休みが取れる必要がありますし、
稽古のために残業などをしてしまうと出演が難しくなることが多いです。
上に書いたように、どこでもできるわけではないですから、活動時間にも制限があります。

それに、芸術分野は基本的にスケジュール管理が甘いことが多いです。
(これはプロの現場もそうだと感じています)

大半のスケジュールが曖昧なまま始まり、且つ流動的に変化するため、シフト制のバイトとかで収入を稼ぐしかなくなるのです。
前日に、どこかに呼ばれる、なんてことはザラにあるので。
(これが業界的に当たり前になっているのも。いけないと感じてます)

その辺を踏まえると、致し方ない、、、と感じざるを得ないとも、思ってしまいます。

そもそも、プロとはなんなのか

そうすると、永遠にコンテクストの埋まらないこの定義に辿り着くことになりますw

プロじゃなければやってはいけない、となるのであれば、プロになるしかないわけです。
しかし、その「プロ」という基準が、そもそもかなり曖昧ですよね。

その職業だけで、生活を賄えるほどの収入があることをプロと呼ぶのか。
内容が担保されていれば、それはプロなのか。
はたまた、内容がなくても、意識さえあればプロなのか。

プロフェッショナル、という言葉の略語であるはずですから、
せっかくなので本来の意味を調べてみました。

「「職業的な人にふさわしい」という意味で、能力が高く、技に優れ、(その仕事に)確かさがある、ということ。
(アマチュアとは異なって)「主たる収入を得るために特定の分野に従事している(人)」
※Wikipediaから引用

うーーーん。。。。

残念ながら、この基準からすれば、やはりその活動を主たる収入としていない役者は、プロフェッショナルとは呼べない、ということになりますよね。。。

しかし、このWikipediaを見ていて、面白いところを見つけてしまいました。

プロフェッショナルという言葉に対して、芸術分野のことが最後までほとんど触れられていないことです。

やはり、ここは天下のWikipedia先生でも曖昧なのだなぁ、と感じますよね。

そして、主に触れられているスポーツですら、アマチュアとプロの線引きは無くなっているも同然だ、と書かれています。

お金を稼いでいなければプロではない、というこの基準は、もはやどの分野でも当てはまらない、ということになるのかもしれません。

余計に基準がわからなくなってしまいましたが、こういうことを考えるのが好きなのが、僕の悪いところです、笑
答えのないものの方が、面白い。


いかに活動を続ける環境を、自分で作れるか

これは全てのアマチュアと呼ばれるものにも言えることですが、役者を常に続けていくためには、ある程度の覚悟が必要だと思っている部分もあります。

先述しましたが、お金を取り続けるのであれば、少なくとも意識だけはプロフェッショナルである必要があると感じてます。

且つ、それだけで生活できないのであれば、続ける環境を自分から作っていくしかないわけです。

ラッキーなのかなんなのか、この数年で一つの職業で生きていくのは危険だという風潮が生まれはじめました。
二つ以上の職業を持つのが、当たり前の世の中が来始めているのです。

そういう意味では、環境を作るのは、一昔前に比べると、かなり現実的になってきたと思っています。

出演できる場所があるのか、自分はその環境についていける環境ができているのか。

プロフェッショナルである必要はないと思いますが、それ相応のやる気は必要なのだろうなと、感じています。

皆さんはどう思いますか?
よければいろんな方のお話を聞いてみたい話だなと、思ってます!

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