見出し画像

今週買った3冊の漫画から、多様性についても考えてみた。

読書はまぁまぁ好きだけど、小説よりもエッセイ。エッセイよりも漫画が大好きな人間です。懐が豊かなうちにと、欲しかった漫画を3冊購入しました。

マダムとセクシャルマイノリティとモンスター。
共通点は、「誰も傷つかなくて優しい世界」と言ったところでしょうか。あと、SNSから人気の火がつきコミック化されたこと。
ここで語る私も、SNSから情報を得てからの作品ファンでした。

1冊目、「マダムたちのルームシェア」からご紹介。

「老後が心配だー心配だー」と誰もが抱える問題を、「こんな素敵な老い方もありますよ、いかがですか?」と提言されているみたいで、とても憧れるルームシェア物語です。

3人のマダムが各々に悩みを抱えていたのを、親友に支えられて、前向きに生きていく姿に縦の繋がりの大切さを学ばさせられます(ここは書き下ろし部分なので、コミックを買わないと分かりません!)。

ルームシェアでありながら、適度な距離感。そして、老いても若さあふれる行動力。とてもアグレッシブで爽快な気分にさせられます。

三人三様の生活スタイルを自分に当てはめてみるも良し。
私は断然、栞さん……だな、うん……なんか、元気な時の自分を見てる気分になるので。

友達に「こういう生き方、真剣に憧れてるんだよなぁ」と言ったら、真顔で「他人に生活を覗かれてるみたいで、無理」と返されてしまいました。

いやいやいや、他人じゃない!

「気心の知れた友」との「ルームシェア」という点が大きなポイントなの!!
悩みや困りごとを心から話せる、話せなくても感じ取ってくれる友人の存在が大事なんじゃないですか。

ルームシェアとまではいかなくても、せめて「スープ(もしくは味噌汁)が冷めない距離」に住んでる友達は大事だと思うのです。
歳をとってからでも友達はできるかも知れません。が、やはり築き上げてた年月の関係性には少しだけ足りないと思うわけであります。

親友大事。大切にしよう親友。

そして、何より、一度はやってみたいです。ルームシェア。


2冊目は、NHKドラマにもなった「作りたい女と食べたい女」。

ドラマのシナリオでは、原作から更に深く問題提起を提示してくれました。
ざっくり言えば、「日本女性のジェンダー問題」「マイノリティ問題」などなどを投げかけてくれてる作品です。

こういう漫画を私は待っていました!

特に、私が課題にしてきた「家庭内での介護問題」を取り上げてくれたことが良かった。
「親の介護は女性が向いている」という風潮がまことしやかにあるなと、実感させられた身。介護を担っている男性の方もいる筈なのに、何故か話題に上がってこない。

この漫画では「食べたい女」の方・春日さんが、祖母の介護をされそうになる描写があります。

理由は様々あるとは思いますが、介護退職させられるのは大抵女性。
それは最初にも書きました、「親の介護は女性が向いている」という風潮の所為ではないでしょうか。

さて。今回の5巻は、『同性パートナーとの同居問題』と『会食恐怖症』。
私も居残り給食組でした。なんとか無事に離脱できた逞しい側の方なのですが、「食べたくても食べられず、人前では食べられなくなった人」も中には出てきてしまう。
そういう精神障害があるのだと、この本を通じて初めて知りました。

更に。小食で食べられないのを、無理矢理に食べさせてしまう家族との確執。
〝これは愛されているから我慢して受け入れなければ〟と、自分を殺してでも家族といなければならない理由。

一番傍にいる家族に理解されないほど、辛いことはない。

むしろ、それを〝家族〟とカテゴリーに括っても良いのだろか?
家族と理解し合えても、出来なくても、自分を大切に過ごして欲しいとは考えます。

もうひとつの問題。
同性パートナーの賃貸物件問題は、切ってもきれない課題です。
「じゃあ、マダムたちのシェアハウスはどうなんだ?」ってことになりますが、「あれは賃貸マンションじゃなく分譲マンションかなんだろう」と解釈してます。

ようやくUR賃貸住宅などでも、パートナーシップ制度で同性パートナーとの同居可能となってきたとは云え、民間ので賃貸契約はまだまだLGBTQ狭き門。
私のような「パートナーの性別は問わない(パンセクシャル)」な人間が、万が一同性パートナーが出来て一緒に住みたいと思ったとしても、いざ借りるとなったら苦労のかぁ……と他人事のように考えてます。

万が一の話なので、今悩む必要はないですが(笑)。

難航する同性カップルや会食恐怖症で悩む人に手を差し伸べる、登場人物の矢子さんが本当に出来る女なので、是非読んでほしいです。
矢子さん、凄い。尊敬する。
彼女みたいな人が近くにいたら、誰だって悩みなんて吹っ飛ぶって。


3冊目は、モンスターという多様性の世界観。「月出づる街の人々」。

妖怪、モンスター、異種人外。お好きですか?
私は人間以外の異種生命体も大好きです。
水木しげる先生作品、藤子不二雄先生作品、大好きです。

この漫画は、モンスターの住む世界での、お互いを理解し分かち合い、優しく暮らしている話です。

《モンスター版日常ほのぼの系》

キャラクターがモンスターであること以外は争いのないありふれた日常物語なのに、すごく惹かれるものがあります。

ですが、そこはモンスター。モンスターの特殊能力を持っているわけです。

フランケンの女の子は力持ちだけど、首の縫い目がほつれるから自縫いしたり。
メデューサの女の子は髪の毛と一体化した蛇たちと一緒に生活をし、蛇の脱皮を手伝ったり。
透明人間の赤ちゃんは、ずっと透明だから親が育てるの苦労してたり。
狼男がブラッシングされるとか、完全犬扱いされてるあたり、どの話も微笑ましい。

兎に角、モンスターの特徴を上手く魅力的に描かれてます。

「月出づる街の人々」の男子学生は、奥手なのも面白い。
筋トレで心を鍛えるミノタウルスは、等身大の、どこかにいそうな高校生をみているようです。
受験を間近に控えた思春期の吸血鬼、とか。
私もいい年齢なので、親目線でついキャラクターを追いかけます。

かと思ったら、漫画にハマって推し活始める母も登場。
なにこの親近感(笑)。


私の選ぶ漫画は、多様なキャラクターがごく普通に生活しているというのが多かったりします。
そして互いにアイデンティティーを、敢えて口では言わないけどちゃんと認めているのが、重要ポイントです。

上の3冊読んでいると、自分の生き方や暮らし方を見直したくなります。一種の参考書。漫画だって参考になりますよ。

良い漫画増えたなぁ。
本棚が足りなくて、積ん読してます。
だから、断捨離出来ません(笑)。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?