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レジリエンスを再考するー子どもの育ちとウェルビーイングの視点からー
先日、九州大学大学院芸術工学研究院 応用生理人類学研究センターが主催した、小児科専門医・子どものこころ専門医の山口有紗先生による講演「レジリエンスを再考するー子どもの育ちとウェルビーイングの視点からー」に参加しました。
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今回のnoteでは、講演会で感じたことをお話ししたいと思います。
感想:レジリエンスを再考するー子どもの育ちとウェルビーイングの視点からー
有紗先生との出会い
先生を知ったのは遡る事3年半くらい前。先生のfacebook投稿をキャッチしたところから始まる。
私から一方的に「発信をキャッチしたいので友達のご承認をお願いできますか?」とメッセージを送った。日付を検索すると2021年夏だった。
年が明けて2025年、私はこの方をこんなにも追いかけていたのかと自分でも驚いた。
なかなか今回の講演テーマに入られないが、何の投稿でここまで追いかけるようになったのかも語っておきたい。
facebookでキャッチした発信内容は、先生のお子さんの事。
お子さんが医療にかかる事があり、念のためCTスキャンを取ることになった。その時、病院側は「お母さんは離れてください」ということだった。
しかし、そのまま離れることがマイナス体験に繋がると先生は知っていた。マイナス体験とは、母と離れたことで次に何が来るか分からない恐怖が湧き出てきたり、その後にもあの時助けてくれなかったという記憶が残ってしまったりすることだ。そこで、先生は、しまじろうと絵本を使って、まだ周りからは理解力が未熟であると捉えられがちな2歳児に対しても、身振り手振りを加えながらしっかり説明し、安心させ、必要な処置をしたということであった。
私の後悔
この有紗先生の投稿を読んだ時、私は後悔で涙があふれた。
何に後悔したかというと、我が子の歯科治療の時の対応である。
九州の小さな診療所の話ではない。東京の最先端の歯科治療を担う、それは大きな病院でのこと。
もともとエナメル質形成不全という状態であったわが子が歯科治療が必要になったとき、泣き叫び嫌がる息子をネットで巻き巻きにしたのだ。
しかも、子どもを安心させるためにこちらは笑顔で、「大丈夫よー」と声をかけながら。。。
なにが大丈夫なもんか。
子どもからしたらなんと怖かった事だろう。
押さえつけての治療も必要なことは勿論理解しつつ、
☑それでも説明や選択等、子どもが一人の尊厳をもった大事な人であるという観点をもう少し私の中に組み込めていたら、
☑巻き巻きされた後、子どもの心に生じるかもしれない傷をもう少し知識として持っていたなら、
子どもにかけた言葉、医療関係者にお願いしたこと、子どもと帰り道に話した事はもう少し違っていたと思う。
10歳を過ぎた我が子は今でもそのことを思い出し、「あの人たちを殴りに行きたい」とまで言う。
その時に「あの時はそれに必要な事をしてくれてたんだよ、だけどつらかっよね」と話していたが、ちょっとこれも変更する。
子どもと私のレジリエンスの方法
リアルに有紗先生に会って、この事の対応についてのアドバイスを頂いたので早速実践した。
まずは130%子どもの気持ちをすくい取り、一緒にその語りを抱きしめ、そして出口のストーリーをそっと動かしていく。これは簡単にできることではないことは感覚として掴めるが、やり方も少し想像がつく。
難しいけどやってみよう。「あえて」じゃなく、また息子から次にこの話がでたときにスッとやってみよう。
この講演会は、有紗先生の万物を尊ぶような姿勢と柔らかな言葉選びと語り口から、私が走り抜けてきた小さい子育ての時期を振り返り、慈しむ時間にもなった。
レジリエンスって言うとなんか、「立ち上がれ!君には力がある」みたいに捉えられがちだがそうではない。
この記事を読んでくれた方が、例えば、子どもの巻き巻きの時の関りをちょっと変えてみようかな、そのあとの言葉かけをこうしてみよう、
母も傷つくから、母のケアも必要だよな、と少しずつ気づき、行動に移し、誰かが誰かを支え、そして誰もがその存在になっていくことができるってことだと思う。
今回の講演会によると、レジリエンスの考えと行動が「ウェルビーイングをつくるエコロジカルモデル」ってことになるんだと理解しています。※豊福解釈
講演内容の共有には程遠くなりましたが、先生の想いや考え、そしてそれを裏付ける根拠はしっかりこちらに書いてありますので、ぜひこちらから↓(笑)勝手に宣伝しています。有紗先生すみませんm(__)m
あとがき
ソーシャルワークでいつも意識している「エコロジカルモデル」。私自身も誰かのレジリエンスになっていく…とまた決意新たにできた機会でした。
講演の後、九州大学の田北 雅裕先生の粋な計らいで、有紗先生、酒井 咲帆さんとcafeタイム。
なんと豊かな時間。感謝。今年もこれで走り出せます!
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保育ソーシャルワーク・学校ソーシャルワークについて
新年度に向けて、保育ソーシャルワーク・学校ソーシャルワーク導入のお問い合わせが増えております。導入形態は、研修講師から毎月の定期訪問まで幅広くあります。それぞれの園や学校の想いを丁寧に聴きとり、オーダーメイドで行っています。お受けできる数も限られていますので、気になっている関係者の方々はお早めにお問い合わせくださいね。
お問い合わせ先
ソーシャルワーク福岡:info@sw-f.jp
保育ソーシャルワークメディア掲載
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『保育の現場にも「ソーシャルワーカー」 発達の悩み、貧困…就学前から支援』
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2023年10月18日マイナビ保育士が運営する情報サイト「ほいくらし」に保育ソーシャルワークの取り組みが掲載されました。
『保育士や保護者の「なんか気になる」を解決!子どもも大人も幸せになる保育ソーシャルワークとは?|株式会社ソーシャルワーク福岡』
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