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日本に愛想を尽かしたトヨタ

「トヨタは日本を諦めつつある 豊田章男社長のメッセージ」
「トヨタのタイ戦略はどうなるか 日本政府の然るべき人たちに「伝えたい」」
(ITmedia/池田直渡)


 引用した記事は前編後編という2本立てである。有意義な記事なので、是非とも多くの人に読んで貰いたいと思う。

 ただし、記事にある様なタイが目指す方向はあくまで妥協案として捉えるべきであり、余りに遠い理想状態を目指す上での通過点と見るべきである。

 という事で、先ずは理想状態を書いてみる。

1.パリ協定から脱退する
2.ついでにキガリ改正も放棄する
3.脱・脱炭素を高らかに宣言する
4.全ての原発を問答無用で再稼働する
5.CO2削減に関わる全ての優遇策を廃止する
6.マイナンバー制度を廃止する
7.環境省とデジタル庁を解体する
8.ここまでで浮いた税金の半分を減税する
9.もう半分を防衛費に充てる

 ここまでが第一段階である。
 政策による利権に何らかの形で絡んでいた企業は多い。膿を出し切るまでは社会が混乱するだろうが、速やかに石炭や石油の開発を再開すれば、原発再稼働や減税と相まって、一般大衆の生活を困窮させるまでに至る可能性は極めて低い筈である。
 マイナンバー制度をさっさと廃止するのは、これが極めて危険な施策だからである。
 混乱が過ぎた先に待っているのは経済成長である。その兆しが見え始めた段階で、次に移行する。

10.GHQ憲法を破棄し、大日本帝国憲法を戻す
11.これを部分的に改正する
12.国民健康保険制度の縮小に着手
 → 20年を目処として廃止
13.国民年金制度の縮小に着手
 → 20年を目処として廃止
14.余計な法や規制の撤廃を断行
15.上記に合わせ、無駄な省庁の統廃合を実施
16.議員定数を衆参合わせて150人まで削減
17.ここまでで浮いた税金の半分を減税する
18.もう半分を防衛費に充てる
19.軍事・経済両面において防衛力を抜本的に改善
 (核兵器の保有は当然だが、一応付記しておく)

 20年掛けて段階的に行うものは別として、これが第二段階である。そしてここまでは、本来なら可及的速やかに実施しなければならない、喫緊の課題である。
 ここまで出来れば、日本は絶対に米国に次ぐ経済大国に浮上出来る。
 この後は第三段階として、不法占拠されている領土や拉致された同胞を奪還したりだとかのフェーズである。

 それと、水素や合成燃料といった次世代燃料、太陽光などの自然エネルギーを本当の意味で電力インフラに組み込む手段、バッテリーの様な汎用性の高いエネルギー貯蔵技術といった研究開発に対して、政治的な優遇策を設ける事も含む。
 化石燃料は当分枯渇しないが、未来永劫どうなるかは分からない。その為に、300年くらいかけて脱化石燃料を模索しておく事は必要である。
 因みに、優遇するに当たり補助金など用いてはダメである。何故なら、一度補助金的な施策を許容すると、タガが外れるからである。政治的に優遇するにおいて許されるのは、減税乃至は免税までである。


 というのが理想だとは思うが、残念ながらその様な方向に舵を切ろうとしても、物凄い数の邪魔する輩が蔓延していてどうにもならない。
 だからこそ、先ずは今よりももう少しマシな方向に舵を切ろうというのは、現実的な対策として考えなければならない。
 例えばトヨタがここ数年間ずっと提案し続けていた方向は、「今よりマシ」として許容出来るものであった。

 トヨタの真意がどうなのか、本当のところは分からない。
①CO2悪玉論を本気で是としてしまっているのか?
②CO2悪玉論を破壊したくて、その足掛かり・通過点としての「バカ正直なCO2削減」なのか?
③CO2悪玉論が緩い感じで社会に根付き、日本経済を破壊しない程度の範疇で、自分達が恩恵を受けられる様な優遇策が残ってくれれば良いのか?

 私としては②を期待したいが、①や③だったとしたら、その時に考えるしかない。少なくとも、途中までは同じ道を歩けるという事である。

 大分前置きが長くなったが、今の日本の為体を考慮すれば、トヨタがこれまでやってきた事は日本にとって大変有意義であり、これからやろうとしている事を日本に取り込む事は、日本経済の崩壊を食い止める可能性の1つと言える。


トヨタは既に日本を諦めつつある。

出典:前編より

 トヨタが日本を見限る様な事になれば、リアルに日本経済が終わる。
 トヨタは「敢えて」日本で30%以上のクルマを生産し、それを日本で売るばかりでは無く、国外に輸出している。今回の件は生産まで完全に撤退するという事では無いと思う(思いたい)が、確実に割合が減る事にはなるだろう。
 それ以外にも、日本の自動車産業がおかしな方向に傾かない様、トヨタが防衛線となってくれていた部分がかなりある。
 「エンジンやハイブリッドの有用性」とか、「CO2削減の実績」とか、「マルチソリューションの必要性」とか、事あるごとにメディアはトヨタの選択や実績(※補足①)を否定し、或いは隠し、BEV一辺倒こそ正義というプロパガンダを展開しようとしてきたが、時間が経てば経つほど、間違いどころか大正解だったという事実が明らかになりつつある。
 客観的に見れば、「今までよく諦めなかったな」とすら思う。

「メディアにもし良心が残っていて、今回の動きをちゃんと伝え、それを政治が受け止めるのであれば、まだ引き返す余地はあるよ」。そういうまあいわば豊田章男氏の日本に対する未練であり、最終メッセージでもある。

出典:前編より

 どうやら、メディアに良心は残っていなかった様である。
 今回の動きを大手メディアが報じていたか?という事である。

日本政府が35年に本当に内燃機関の全面禁止を進めるのであれば、トヨタは日本を出て行かなくては生き残れない。

出典:前編より

 エンジンを捨てて生き残れる自動車メーカは存在しない。それはBEV専業メーカですら同じである。
 どういう事か。
 BEVが多少なりとも売れていて、BEV専業メーカが事業を継続出来るのは、CO2排出クレジットと莫大な補助金のおかげである。
 このどちらかが無くなれば、BEV専業メーカが潰れるのは明白である。
 CO2排出クレジットはエンジン車が無くなったら消える。補助金などの優遇策も社会全体に経済的余裕があればこそだが、その経済に大きく貢献しているのはエンジン車である。

23年に行われるUAEのCOP28までに、トヨタとCPは、眼に見える成果を出すことを目標にしている。

出典:前編より

 COP会議とかいう邪教のサバトには興味を持つ必要など無いが、反日バカメディアがその時になって、どの様な報道を行うかには興味を持っておいても良い。

ここで水素が必須になれば、ASEANを市場として狙いたい全ての自動車メーカーは、水素のコマを持つしかなくなるわけだ。そしてそのコマを持ってしまえば、水素を否定する意味はなくなる。これは欧米の自動車メーカーにとって魅力的ではなくなった日本のマーケットでは成立しない話だ。世界の自動車メーカーのトレンドがタイを起点に変わるかもしれない話のこれは始まりなのだ。

出典:後編より

 後編からも上記の一文だけ意見を述べておきたい。
 水素というのは徹頭徹尾、気体である。その時点で液体のエネルギー源に対し、経済合理性でも物理・化学的合理性でも劣っている。
 だから、この様なモノが必須とされる世の中は、我々一般大衆にとって不利益にしかならない。精々、トヨタが得た収益を日本に還元してくれる内は、他国に比べて日本はまだマシという程度である。

 水素が商業ベースである採算の合う燃料として扱えるところまで来れば、何の問題も無い。しかし、現時点でその可能性は全く見えていない。
 その事は十分に理解しておくべきである。


※補足①

 CO2排出削減という行為は、実際は無意味でしか無い。
 ただし、これだけCO2悪玉論が侵食してしまった現状において、「真っ当に」CO2削減の実績を提示する行為は、CO2悪玉論で利権にありつこうとするゴミ共の欺瞞を暴く手段に成り得る。
 という事で、自動車産業がCO2削減の実績を振りかざす行為を、軽々に悪と断じてはならない。

 この削減実績はトヨタだけのものでは無い。
 スズキとかホンダとか、全ての自動車メーカの努力の賜物である。

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