【超超超短編小説】黒豚
紋付上下を着た男が白洲に座った俺たちに向かって肉を投げつけた。
肉は火が通り過ぎて硬くなっていたが俺たちはそれを食うしかない。
白洲の肉を拾い上げる。
粗塩まみれになった肉は味のしない布みたいだった。
飲み込める程度の柔らかさになるまで数回噛んでから唾液と共に喉の奥へと押しやった。
「俺の腹がこの豚のように黒いと言うのか」
白洲に並んで座っていた男は気が触れたかののうに絶叫すると、割り箸で腹を割いて胃腸炎を取り出すと
「どうだ、黒いか」
と叫んで死んだ。
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