【短編小説】マイ竹刀闘争
「それは私の竹刀袋だ」
空港のピックアップレーンで最後に流れてきた黒い革製の竹刀袋を手に取った白人男を咎めた。
それは俺の竹刀袋であり、その竹刀袋は俺のものだ。その中の竹刀は俺の親友であり、俺の人生でもある。
似たものはどこにでもあるが、それは俺の竹刀と袋だ。その竹刀と袋なくして俺は単なるクソであり、その竹刀と袋もまた俺なくして単なるクソだ。
つまりそれはおれの竹刀と袋だ。
覚えておけ。
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