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【短編小説】東京confidential
男はズボンに手を入れて陰茎のポジションを執拗に直しながら「俺の携帯はどこだ」と繰り返してた。
電車の窓は雨に濡れてハルカタ柄の天井みたいになっているし、もしかしたら男の陰茎は何らかの病気に冒されているのかも知れない。
俺はお前の携帯がどこかも知らないし、いつかのスーパーの荷物置き場で痴呆混じりのおっさんが探していた財布もどこか知らない。
俺はお前の事も知らないし、たぶん自分の事だってそんなに知らない。
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