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【短編小説】線路は続くよどこまでも

 長い夢から醒めた瞬間に俺は自分が天才的な愚鈍であると気付いた。
 実際に寝ていたのはたかだか数分だと言うのに、見ていた夢の長さたるやインターミッションを挟みそうな勢いの大長編だったので俺はクライマックスを迎える前に席を立って劇場を出た。
 頭蓋骨と言う子宮から出て、布や綿で作られた子宮から這い出し、コンクリートの子宮から転がり出てようやく胎内巡りが終わる。
 その頃には再び眠るまでの遊歩道を歩く様な労働が始まる。

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