【短編小説】七夕短冊イタコ芸大爆発party Night
夜風に煽られた笹の葉が掠れ合う音はまるで大河の豪流、または岩肌に叩きつける鬼波のように快感と恐怖を渦巻かせていた。
笹に吊るされた願いや吹き流しが大きく揺れる。
「案外と今夜あたりかもな」
思わず独り言を漏らした自分に驚いた。
2ストロークのキックは重たい。
無数のスズキGT750が奏でるひび割れて乾いたエンジンコールが響きわたる中を、ひとりの男が悠然と歩いていく。
汚れひとつ無い純白の作業着に金糸銀糸の絢爛な刺繍が施されており、画数の多い漢字が並んでいる。
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