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【短編小説】最終列車

「ここ、いいですか」
 車窓に向けていた顔を声のする方に向けると、狭い通路にひとりの老人が立っていた。
 歳の頃は80前後と言ったところだろうか、まだらに生えた髪はまだ半分ほど黒い。
「どうぞ」
 俺は通路側に置いていた荷物を座席の下に押し込んだ。別に座られない為にこうしていた訳じゃないが、一人旅もここで終わりかと思うと寝たフリでもしておくべきだったかなどと思ってしまう。

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