【短編小説】スイカ割り
目隠しをされる。
グルグルと十回ほど回されてから「始めィッ!!」と言う勇ましい声がかけられた。同時に野太い太鼓が打ち鳴らされる。どん、と言う鈍い振動が内臓を揺らせた。
足の指で掴んだ砂が熱い。皺や指紋までが熱に侵されていく。
すり足で進む。
どん、と太鼓が打ち鳴らされる。
再びすり足で進む。
どん、太鼓が打ち鳴らされる。
足が止まる。
どん、太鼓が打ち鳴らされる。
どん。
どん。
どん。
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