【短編小説】祖(catch up 大熊猫バーガー)國
電竜 爆太郎は後悔していた。
有刺鉄線を巻いたバットがは重く振り回しづらかった。ジュニア用のバットで作るべきであった。
プロレスラーたちが使うそれも恐らくそうだろう。高校生以上が使う木製バットではあまりにも使いづらい。
しかしこれもエリーゼの為だ。
爆太郎は割り切って自身の筋肉を強化しようと思った。しかしプロレスラーでさえジュニア用のバットを使っているのだ。
爆太郎がこれを使いこなせるようになるまでには大変な時間がかかる。
仕方なしに爆太郎は有刺鉄線バット屋まで行くことにした。
爆太郎がアパートを出ると、共産党員たちが本を焼いて暖を取っているのが見えた。
「どうですか、集まってますか」
爆太郎が訊くと共産党員たちはそれに答えず、逆に
「何か燃やせる本を持っているだろう、いや、お前の様な奴は持っているに違いない」
と言った。
腹を立てた爆太郎はおもむろに陽茎を取り出すと勢いよく放尿を開始した。
折良く町内放送のスピーカーからは音の割れたマイスタージンガーが流れ始めた。
「放尿は自動なんだ」
爆太郎がそう言うと、偶然にも通りかかった国粋主義風の若者がパンダを犯しながら
「ニヒリストだね」
などと言うので、爆太郎はますます腹を立てて、共産党員の手から暴い取ったコーラの缶でパンダもろとも国粋主義風の若者を殴り飛ばした。
結局のところはセックスの不足だ。
独占禁止法は施行されたものの何ら効果を発揮していない。相変わらず一部による過剰なセックスと、それに伴う価値の変動で需要と供給のバランスは崩れ続けていた。
特に日本の東西分裂以降は酷く、西側の人権を奪われた形になる者たちや東側の肌色に依る階級に苦しむ者たちが後を絶たない。
だがコーラを飲んだところでアメリカを打倒できる訳でもないし、パンダをファックしたところで中国が崩壊する訳でもない。
有刺鉄線バット屋が燃やされているのを見た爆太郎は近くの屋台で買った寿司バーガーの丸揚げ甘酢餡かけを食べながら、全自動有刺鉄線巻き機と全自動釘バット打ち込み機に関する特許申請を思いついたが、ノンポリの冷笑ナンパ野郎と言う名目で先ほどの共産党員や国粋主義風の連れ合いに私的な制裁を頂戴することとなった。
全く馬鹿げた死に方があるものだと爆太郎は思った。
天国や地獄があるとして、中国人はどこでも繁殖しそうだしアメリカ人はどこでも揚げ物しか食わないんだろうと思うと、全てがどうでも良くなってきたので、爆太郎はあっさりと意識を手放したのだった。
その頃エリーゼは共産党員の歴史ある房中術の虜となって爆太郎の事なんてすっかり忘れて腰を振っていたし、キリストの発祥は朝鮮半島であると言う声明が発表されたので、間もなく世界は終わろうとしていたので、全てはドルチュレッタになってビュージェした後にンゴルワニーナとしてクプァドゥルルする瞬間だけが重要だったけれど、それは爆太郎の役目でない事だけは確かだった。