見出し画像

【超短編小説】AWA

 死ねばいいのにな、とお互いが口の中でもごもごと呪詛を吐く。
 少なくとも東京と言う街はそういうところだ。
 特に電車に乗る様な社会的な身分階級の人間たちにとっては。
 それが漏れ聞こえてしまえばトラブルになるし、実際にニュースで見る事件の大半はそれが原因だ。
 車なら聞こえない。
 小さい部屋、または棺桶。それとも子宮。
 なんだっていい、俺たちにはあまり関係が無い話だ。電車に揺られて生きる。満員電車だ。
 培養液の中で増えていく異常細胞。俺たちはもごもごと呪詛を吐く。
 安い石鹸がすり減る様に俺たちは削られていく。

ここから先は

489字
マガジン購読で去年の作品が読み放題! しかもオリジナル作品!二次創作無し! 読んで飛べる読むクスリの詰め合わせ! これはお得!

波打ち際ブンガク1年目が500円で読み放題! 360本くらいのオリジナル短編小説(1000字前後)がいっぱい。しかも読みきりばかり。 扉絵…

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

サポートして頂けると食費やお風呂代などになって記事になります。特にいい事はありません。