【短編小説】呪詛之王
鈍器にも似た夏の太陽が憎しみのこもった光で薄く青い布を引き裂く。
俺は目を覚ます。
そして自意識を再び握らされる。
眠りか終わった時すでに目覚めは始まっている。そこに曖昧なものは何ひとつ無い。
目覚めは不愉快だ。自分の意思とは関係無く睡眠が終わる。
目覚めは苦痛だ。
眠れば目覚めた時にお前がいないと言う現実に向き合わなければならない。何度も何度も目覚める度に。
そして思い出を辿ろうにも浅過ぎる歴史がそうはさせてくれない。
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