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新陳代謝の悪い職場から帰宅する時は気をつけなければならない。 逢い魔が時と言うのは労…
土曜日の朝だと言うのに下り電車は異様に混雑していて、座席のほとんどは登山客の老人たちで…
連休を失った帰りに今後の人生だとか昨日までの日々について思いを巡らせていたけれど、釘バ…
バイクのメーターがちょうど22,022.2kmを回ろうとしていた。 「いや、それは何もちょうどじ…
「ぼくの右手知らない?」 「誰が分かるかブルーハーツのマイナー曲」
水を吸ったストローの包み紙が生き物の様に伸びていき、桂剥きされた粒ガムの抜け殻みたいな…
「コンドルは?」 「飛んでいく、精液の様に」 「ロケットは?」 「爆発する、性欲の様に」 真夜中に目が覚めた。 そろそろ5月だと言うのに冷気の溜まり場になった窓際は寒く、俺はクリーニングに出しそびれた汗臭い羽毛布団に身を埋めた。
はるのかぜがアスファルトで固められたとおりを、まるでころがるように走っていると、えき前…
ツツジの吸殻を拾い上げて成分表示を見ると「原材料:春」と書いてあった。 じゃあ春の成…
ダムの縁を照らす餓死悪髑髏の光があるので仕方なく警備の仕事をしている、と言う具合にその…
ドアノブを回しながら引いて、鍵がかかっている事を確認していると向かいの家から積田手の奥…
長い夢から醒めた瞬間に俺は自分が天才的な愚鈍であると気付いた。 実際に寝ていたのはた…
袋に詰め込んだ黒ギャルJKをダストシュートに放り込んでから管理人室と書かれた札の下がった…
天の光は全て苦痛だ。 俺たちはそこに向かって進む電車に乗っている。 窓の外を幾千もの苦痛が流れていく。 俺は涙を流して息を顰める。