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中長期での戦略ストーリーを夢想する

「何かをはじめるのに遅いということはない」
ということで
このnoteを始めましたが
これらは今まで自身のinstagramの
ストーリーで投稿していたものを
ベースとしています。

今回は
「中長期での戦略ストーリーを夢想する」
というタイトルで記していきます。

私たちの
レストランのひとつ
2020年に開業した
ヌーベルプース大倉山(札幌・大倉山)

は、その立地上からも
2030年に予定されていた
イベントを意識せざるを得ませんでした。

そのイベント自体の是非はさておき
我々が挑む先には常に2030年がありました。

世界の要人を迎えて
国際的なビッグイベントの成功に貢献する。

そのミッションを遂行するために
逆算してどのような
準備をしていかなければならないか。

時をただいたずらに喰いつぶしていくか
それとも、毎日を成長の糧としていくかは
到達点を常に照らしておかなくてはなりません。

そしてプランAがダメになっても
プランB、プランCも用意しておく。

私たちは未曾有の災禍によって
多くの学びを得たことで
戦略の転換点をいくつか
用意することができました。

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まずは見送られたプランAから記していきます。

この国際的ビッグイベントとは、賛否も多いので
少し書きづらいのですが、冬季五輪のことです。

【到達点を明らかにして共有するためのストーリーづくり】


▪︎問題はなにか?


まず2020年にできた
このレストランには3つの問題がありました。

①新型コロナウィルス
②スタッフの熟練度
③集客

①に関して詳細は割愛しますが
営業機会の減少だけでなく
スタッフのモチベーションを阻害する
一番大きな問題でした。

②はもともと観光地に在籍していた
スタッフにいきなりフレンチレストランを
やりなさい!
というのはかなりの負担があることで
✅時間をかけて習得するか
✅外から専門的人材を集めるか
になると思われますが
ここでは前者とともに後者も選択され
未曾有の災禍中において、機会とご縁に恵まれて
アルバイトをさせていただくことになりました。

③集客
ここについてはヴォリュームが大きいので
あるプロジェクトの成果に沿ったかたちで
DX導入の成功例とともに
またあらためて別の機会に記していきます。

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▪︎スタッフ育成に関わる問題への対処法
まず、スタッフのモチベーションを維持し、
スタッフ育成をしていくために必要なことは

【GOAL = 到達点を明らかにすること】

です。

これは未曾有の災禍においても
平時においても一緒ですが
このチームでなにを目指していくか。

その到達点が高ければ高いほど
毎日の取り組みにはハードさが要求されます。

野球なら甲子園
ラグビーなら花園
サッカーなら国立
レストランならミシュラン

ですが…
私たちには「冬季五輪」がそれでした。

ミシュランの1972年当時のポスター 
Q.この白いキャラクターの名前わかりますか??
ヒントは【ビブ・グルマン】 答えは記事の最後に

これは2020年時点の話ですが
『2030年冬季五輪での
レストランサービスを自分たちのチームで
担えるようにやっていきましょう!』と
アルバイトの身ながらMGRに提案しました。

前職ではひとつの
レストランにスタッフはおよそ30人。
シェフは国内外のレストランを経験し
各ポジションもそれぞれ専属で
配置されていた時期も長くありました。

ソムリエ有資格者も7人。
メートル、シェフ ド ラン
コミ ド ランと配置され
ディレクトールが統括する。

そうしたレストランに
足掛け15年在籍してきたわけですから
現状をみると非常に心許ないチームでした。

しかし、同時にこのチームが描く成長曲線を
見ていきたいなとも考えていました。

そう、三谷幸喜氏の脚本の
「王様のレストラン」
の再建ストーリーとは異なるも、ある意味
役者は揃い、新たなチャレンジに
不足はありませんでした。

そして2030年冬季五輪レストランチーム
造成におけるストーリーを妄想し始めました。

✅統括シェフは北海道出身、フレンチのグランシェフになる
✅グランシェフのストーリーの完結となる
ビッグイベントを手伝えるかも!?
____
そのうえで
✅フランス料理店のオペレーションは必須
✅もともと大箱のフレンチ店舗は少ない
✅会場がレストランであれ、ホテルであれ
プロジェクトに沿ったチームが必要
✅毎日の営業で訓練ができる
✅幸い「まだ10年もある」
というファクトを肉付けしていきました。

フランス料理店での専門サービス経験が
ほとんどないチームにそれらを語ると

『はい?何を言ってますの???』

という反応。

これまでも、その後も、こうした反応を
得られたストーリーは効果が
とても高くなる傾向がありました。

あとは毎日のオペレーションに落としこむ
ことが重要になります。

いわゆる「フレンチ」の素晴らしさは
出来上がった「料理」だけにあるのでは
なく、そのOS(Operation System)に
あると考えています。

そのOSの鍵は「言葉」です。

合理性や効率化に走らず
この「言葉」共通言語をコミュニケーションの
なかに落とし込むことによって
レストランの文化が醸成されていきます。

(※木村拓哉さんがとうとうレストランの仕事を
してくれたこの「グランメゾン東京」は最高です。)

この文化こそレストランの
OSの肝となっています。

この文化を中長期戦略ストーリーの柱として
OSをインストールしておくことで
レストランの基盤をつくります。

そのレストランは
フランス料理店でなくても良いのです。
フランス料理店を北海道でやりながら
フランス料理店のOSを採用し
人材育成に役立てること。
そのための中長期的な戦略ストーリーを描き
骨太にして語り続けていく。

冬季五輪を絡めたこのストーリーは
ボツとせざるを得なくなってしまいましたが
今の店舗の土台にはなっていきました。
これに準ずるような作品を
毎日のように何度も何度も
描いては消し、描いては消し・・・
を繰り返しています。

今、軸としているストーリーについては
また次の機会に記させていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

A.ミシュランマンと呼ばれるキャラクターは
「ムッシュ・ビバンダム」が正解です。


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