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ハイスクールのエロス、Walk This Way。そして1980年代半ば、RAPはいかに狂暴だったか。

1970年代末から1983年あたりまでは当時の言葉でニューウェイヴ~オルタナティヴ、いまの言い方でポストパンクの全盛期だった。日本ではYMOが大人気だった。ところが1980年代半ば、HIP HOPという不穏な流行がすべてをぶち壊した。RUN DMC と Beastie Boysの登場である。嫌なもんが出て来たなぁ、と、ぼくはぞわぞわしたものだ。


Run DMCは、ニューヨークシティ、クイーンズ地区出身のアフロアメリカン3人組の Walk This Way は、Airosmithの原曲(1975年)を、しかもSteaven Tyler とJoe Perry をフィーチャーしつつ、RAPに変えたのだ。



歌詞の主人公はシーツの下でオナニーばっかやってた童貞くん。ある日オヤジに言われる、マフィンを喰っちゃうまではおまえにゃなんにもわからねえ。そんなおれはある日チアリーダーに出会ったんだ。しかも彼女の姉ちゃんといとこにも♡ かわいいキスからはじまった。彼女はハイスクールの男どもとシーソースウィンギンに夢中なんだ。スウィングしながら、Hey diddle diddle、(子猫ちゃんがヴァイオリンになる。)おれはハイスクールのダンスででっかいチャンスをゲットした。遊ぶ気満々のお嬢さん。おれは騙されたわけじゃない。あの子は自分がなにをしているか知ってたからね。愛がここにあることを彼女は知ってたんだ。Walk this way、Talk this way
、それは脚の使い方、口の使い方、つまり愛の手ほどきのことなんだ。



1986年に『笑っていいとも!』にRUN DMCが登場して、タモリさんも中国人ラッパーという設定で、ラップを披露した。



Beastie Boysがまたやんちゃきわまりなく登場した。



1987年のクリップです。(すでに前年に Licensed To Illがリリースされています。)ギター・ソロはスレイヤーのケリー・キングの演奏。このキャスティングが絶妙です。たまたまスタジオでおたがいすれ違っていたものだから、「やってよ」なんて言って。このクリップ見れば、そりゃあ売れるの間違いなし。ところがぼくは当時このクリップを見逃している。



当時ジョン・ゾーンが高円寺の三畳アパートに住んでいて、RAPに大注目していたもの。LL Cool Jとかね。しかし、ぼくは英語もそれほどできないゆえ、まったくピンとこなかった。Public Enemyも話題だったけれど、ぼくにとってはカツアゲでもされそうでおっかなかった。


坂本龍一さんは言ってらしたもの、「アカイのサンプラー目当てに人殺しちゃったりしますからね、狂ってますよ。それにしてもなぜか日本でだけはラップが流行りませんね」


まさに時代の変わり目だった。なお、ぼくがHIP HOPもおもしろいな、とおもいはじめたのは1990年、A Tribe Called Quest が登場した頃のことだった。



thanks to 湘南の宇宙さん



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