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戦後昭和の「正解」主義
第2次大戦で負けた、戦後日本は
アメリカと言う模範
をめざして、一直線で経済成長を果たしました。昭和の時代で
世界の最貧国->アメリカに次ぐGDP
と言う脅威の成長を成し遂げました。
これは、社会の体制では
正解:アメリカ的民主主義
誤り:ソ連などの社会主義
と言う正解が、多くの人にはみえていました。例えば、旧陸軍の参謀達は
一時期はアメリカ憎しでソ連や中国に接近
しかし
社会主義国の実態を見て見限り
アメリカに接近
と言う行動をします。つまり、日本に敗戦をもたらした、社会情勢を見る力が低い、旧陸軍参謀でも解るぐらい、1950年代から社会主義は破綻しかかっていたのです。さて、ここで吉田茂など、当時の日本の政治家は
「日本は共産化するかも?」
とアメリカを脅して、種々の支援を勝ち取ります。そのために、一部知識人達の世論に「親ソ連発言」を許すし、大学には
マルクス経済学が主流
と言う流れを作りました。山本七平の本に
「日本の大学は、経済も歴史もマルクス主義、
しかし資本主義の会社に就職し、よく働く」
と言う笑い話がありました。これをよく見ると
大学では先生の言う「マルクス主義」が正解
会社で「資本主義」が正解
と「正解」に合わせる躾が効いたようです。
なお、戦後昭和の日本企業は
通産省の指導に従う計画経済
に近い形態でした。ここでは
通産省の指導という「正解」
が有りました。
なお、日本の計画経済が、ソ連などと違うのは
政府の大筋の指導を企業の独自方針で展開
と言う独自判断を許した点です。このように考えると
マルクス主義教育
は案外役に立ったのかもしれません。