知識の働きで見る日米組織論
先日は
日米の組織論の違い|鈴木良実|note
と言う記事を書きました。
この記事に関連して、社会学の
ゲマインシャフト:基礎集団、共同体組織
ゲゼルシャフト:機能集団、目的志向の組織
と言う概念を用いて、日米の組織論はなぜ違うか、説明を考えました。私の考える現状把握は
日本的経営:ゲマインシャフトとゲゼルシャフトの混在
アメリカ的経営:ゲゼルシャフトに徹している
です。この理由をもう少し考えると
ゲマインシャフトは進化した組織という発想
アメリカ文明は歴史が浅い
英仏の先例を見て作られた文明アメリカのフロンティア開拓文明
失敗したら去る日本の企業には江戸時代からの伝統もある
等が出てきます。特にアメリカの文明は
(知識ある人間が)
更地に作り出す手法
が得意です。もう少し言えば
ダメならリセットしてやり直す
会社は新しく作り古いモノは捨てる
と言う考えから
ダメな会社の倒産は祝うべし
と言う価値観です。日本の経済情報では
倒産件数が増えるのは悪い
と言う発想がありますが、アメリカでは新陳代謝として、積極的な意味を認めます。こうして新陳代謝は、今までの柵や既得権益の弊害を、避けることができます。
しかしながら、この発想の裏側には
間違いを修正し完成させる
会社を育てる
と言う発想が弱くなります。日本の物作りでは
最後の仕上げでよいモノに仕上げる
と言う発想があります。日米の車の比較で一時は
日本の職人的仕上げが優位
に働き、アメリカの自動車産業は危機に陥りました。
さて、品質問題に対する、アメリカの答えの一つは
GEのシックスσ活動
です。この発想の根底にも
有能な技術者の構想通りに
バラツキ無く物を作る
と言う考えがあります。つまり知識の優先です。
これをもう一歩踏み込むと
哲学的な思考ができる有能な人材が作った
機能の組み合わせが正しい
つまり
ゲゼルシャフトはゲマインシャフトより進化
と言う考えになると思います。