アメリカの心理医療について
アメリカでは、カウンセリングなどの、心理的な医療が充実している、という話を聞きます。例えば
この話の底には
軍事に関わる神経症患者
と言う問題があります。平和な日本にいる人には、考えたくないことでしょうが、アメリカは軍人の精神面の要素に真剣に向き合っています。そこでは大きく分けて、以下の二つの方向で研究しているのです。
普通の人間を軍人にする
軍人を普通の人間に戻す
この話の前提は
普通の人間は5人に1人しか
まともに敵を狙って
銃の引き金を引けない
と言う研究結果です。つまり、普通の人間を戦場に送り込んでも、8割の人間は、目を背けて、どこかに銃弾をばらまいているだけです。例えば、太平洋戦争の初期では、アメリカ軍は自動小銃を持たせていても、多くは日本兵の頭上に無駄弾を使いました。一方、日本軍の三八式歩兵銃は、一発一発狙い撃ちにしていました。だから、フィリピンで、あっさり陥落しました。
こうした状況を踏まえて、アメリカの軍部も
まともに敵を狙う兵を増やす
方向での、精神的な訓練を行っています。
しかしながら、こうした訓練が出来た人間は
日常生活でも攻撃的になる
傾向があります。
そこで、今度は
戦場と通常生活とは違う
と言う心理訓練を行います。また
戦争神経症の治療
にも色々と手を打っています。こうした理由で
アメリカの精神医療の充実
があるのです。
例えば、コージブスキーやS.I.ハヤカワの
一般意味論
も
過度の一般化を排除し
抽象の梯子を下る
と言う方向で、戦争神経症の治療に役立っていました。