狭い技術専門から広く社員教育へ
私は、10年ほど前に、40年近くの会社生活を、無事リタイアしました。ここで「無事」という言葉を使ったのは
ピーターの法則
「人は己の無能が証明されるまで出世」
の対象にならず
最後まで能力発揮できた
ということです。
さて、私の転機は入社15年目に
ソフトウエア技術者から社員教育部門に異動
を決断したことです。私はそれまで、マイコンの組み込みソフトの設計、開発に従事し、特にソフトウエアの標準化と再利用では、社内でも有数の専門家としての実績があり、また学会でも発表していました。
ただし、同じ部門に、私と同程度の技術力のある、有能な社員が数名いました。そのうち二人は、私よりも人を動かす力があり、管理職としては適切だと思いました。
しかしながら、私が一番年上なので
年功序列なら私が課長
という状況でした。しかしながら、当時の私の経験は
狭い専門分野を深める
モノであり、広い視野を求める課長には、不十分と判断しました。
そこで、それまでいろいろと縁があった
社員の技術教育
を切り口に、総務部の研修部門に異動しました。
この異動では
事務屋の世界
という
異文明への適応
でいろいろと苦労しました。しかしそこで
浅くてもよいから
必要知識を広く網羅
知識は人に説明できてこそ生きる
という観点で、広く学びなおしをしました。学生時代は苦手だった
重電の知識や材料力学など
を、人の教えるレベルまで理解しましたし
事務屋として法学の基礎
を学びなおしました。
こうした積み重ねで、その後の会社生活では、いろいろな仕事をしましたが、部門部門で貢献でき
人に無能と後ろ指をさされない
幸せな会社生活を送りました。
このように振り返ると
新しい部門への異動
という選択をしたから、幸せなリタイアになったと思います。
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