見出し画像

主張に対応した表現

広い意味での「論理的な文章」を書くときに、最初に考えることは、主張する内容に対応して、表現方法を変えることです。これを意識していない人が、少なくありません。

主張する内容は、大きく以下のように分かれます。

  1. 事実

  2. 意見

まずは、『ある事実がある』と言うことの主張です。これは、いわゆる
5W1Hの

When(いつ)
Where(どこで)
Who(誰が)
What(何を)
Why(なぜ)
How(どのように)
したのか?

をキチンと書きます。将来起こる事実の予想の場合には、その正確さによって、意見の扱いになるので注意してください。

次に、意見の主張ですが、この場合に注意するのは

根拠をキチンと示す

必要性を意識しないといけません.言い換えると

自分と別の意見のある人

がいると、常に気に掛けることです。自分が観ている世界が全て、自分の考えが正しいと、思い込んではいけません。

さて、意見の主張を

  1. 判断や解釈

  2. 一般法則の提示

  3. 価値観の提示

  4. 政策や行動方針

の4通りに分けました。まず「判断や解釈」の提示は、用語の定義をしっかり行って、正しいと考える前提から、キチンと論証します。これは、狭い意味の論理的な主張そのものです。

次に「一般法則」の提示は、無意識的に行うことが多いので、注意が必要です。つまり

体験の一般化

によって、色々な説得をしたり、実際の行動の理由付けを、行ってしまう場合です。この失敗は

具体的な事例の過剰な一般化

です。極端な例では

一度XX国で盗難に遭った
ー>
XX国は治安が悪い

と言う様な議論があります。

こうした「一般法則」を考えることは、説明のために大切ですが、その限界を、しっかり意識する必要があります。

さて「価値観」の場合は、更に意識されない場合が多いです。例えば、私達は

民主主義は独裁より優れてる

と言う価値観を持っています。しながら、世界各国を見ると

民主主義の国が少ない

と言う現実があります。これらの国の一部では

混乱よりは独裁の安定

を国民が求める場合もあります。こうした「価値観」の影響を、意識することで、立場の異なる人とのコミュニケーションでのトラブルが少なくなるでしょう。

無意識的な価値観の押しつけ

を避けることが、多様性への対応の第一歩です。価値観の主張では

他の意見がある

ことを意識した上で

利益と損失の比較

をしっかり行います。

最後の「政策や行動指針」の主張は、前例や類推などを用いて

論理的な説得

が多く使われます。しかしながら、このような「論理」は、主張者の「価値観」や「一般法則」に縛られています。この点を意識するだけでも、独りよがりの押しつけを、予防することができます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?