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主張に対応した表現
広い意味での「論理的な文章」を書くときに、最初に考えることは、主張する内容に対応して、表現方法を変えることです。これを意識していない人が、少なくありません。
主張する内容は、大きく以下のように分かれます。
事実
意見
まずは、『ある事実がある』と言うことの主張です。これは、いわゆる
5W1Hの
When(いつ)
Where(どこで)
Who(誰が)
What(何を)
Why(なぜ)
How(どのように)
したのか?
をキチンと書きます。将来起こる事実の予想の場合には、その正確さによって、意見の扱いになるので注意してください。
次に、意見の主張ですが、この場合に注意するのは
根拠をキチンと示す
必要性を意識しないといけません.言い換えると
自分と別の意見のある人
がいると、常に気に掛けることです。自分が観ている世界が全て、自分の考えが正しいと、思い込んではいけません。
さて、意見の主張を
判断や解釈
一般法則の提示
価値観の提示
政策や行動方針
の4通りに分けました。まず「判断や解釈」の提示は、用語の定義をしっかり行って、正しいと考える前提から、キチンと論証します。これは、狭い意味の論理的な主張そのものです。
次に「一般法則」の提示は、無意識的に行うことが多いので、注意が必要です。つまり
体験の一般化
によって、色々な説得をしたり、実際の行動の理由付けを、行ってしまう場合です。この失敗は
具体的な事例の過剰な一般化
です。極端な例では
一度XX国で盗難に遭った
ー>
XX国は治安が悪い
と言う様な議論があります。
こうした「一般法則」を考えることは、説明のために大切ですが、その限界を、しっかり意識する必要があります。
さて「価値観」の場合は、更に意識されない場合が多いです。例えば、私達は
民主主義は独裁より優れてる
と言う価値観を持っています。しながら、世界各国を見ると
民主主義の国が少ない
と言う現実があります。これらの国の一部では
混乱よりは独裁の安定
を国民が求める場合もあります。こうした「価値観」の影響を、意識することで、立場の異なる人とのコミュニケーションでのトラブルが少なくなるでしょう。
無意識的な価値観の押しつけ
を避けることが、多様性への対応の第一歩です。価値観の主張では
他の意見がある
ことを意識した上で
利益と損失の比較
をしっかり行います。
最後の「政策や行動指針」の主張は、前例や類推などを用いて
論理的な説得
が多く使われます。しかしながら、このような「論理」は、主張者の「価値観」や「一般法則」に縛られています。この点を意識するだけでも、独りよがりの押しつけを、予防することができます。