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確からしさを扱う
昨日の記事
科学知識の西田哲学的評価|鈴木良実
に関連して
一般者の世界での論理
をもう少し考えました。
私は、イデアのような理想化のない一般者に対しては
確からしさを扱う論理
が必要と思います。これは、数学などの厳密論理とは、少し違う論理です。もう少し付け加えると
間違い可能性を含む論理
です。この対策として、ヴィーコは
多数の証拠を集め
百の三段論法で立証
と言う対策をとります。また社会科学の方法論では
ワラスの輪による検証
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と言う考えもあります。
こうして、全体確実にこだわらず
確からしさを拾うことで
多くの可能性を開く
ことが出来るようになります。
但し、こうした対応には
柔軟な修正力
も必要になります。現実との対応で、不具合が生じれば、速やかに直す力があるから、誤り可能性のリスクを冒すことも出来ます。そこで、得るモノは大きいでしょう。
なお、昔の人工知能は、プログラムのような厳密な推論が中心でした、しかし、現在のAIは学習機能により、確からしさを上手に取り入れているように思います。
前に書いた以下の記事も参考にしてください。
岩波文庫青672-1『学問の方法』解読|鈴木良実
広い意味の論理を使う|鈴木良実