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教えの見える化で大衆へ展開

昨日書いた
思考力の大衆化|鈴木良実
に関連して

メディアの進化

の方向から考えました。

今回着目したのは「観無量寿経」です。
観無量寿経 - Wikipedia
観無量寿経とは?意味と内容を分かりやすく解説

この中で「定善十三観」と「散善三観」という教えがあります。

定善十三観では、自力で瞑想して、阿弥陀如来の極楽浄土を心に描くことで、救われる修行です。しかしこれが出来る人は、ほとんどいません。そこで

南無阿弥陀仏の念仏を唱える

ことで、悪人でも救われるという教えです。

ここで、天台大師が、中国で法を説いていた、6世紀の世界を想像してみましょう。そこでは

紙は貴重品

です。まして現在のような、テレビやスマホのAV環境などありません。そこで仏の教えを聞いたときは

仏とその世界を想像する

瞑想の力が必要になります。断片的な記述から、仏の全ての力を創造し、その力で作り出された法界を、瞑想の力で見るのです。

このため、夕日の残像から日の光を、水を想像し更に氷になり瑠璃の浄土になる水想観、国土を想像するなどの段階を経て、阿弥陀如来と極楽浄土を心に描く修行をします。

しかしながら、こうした修行が行え、成果を出すのは、力のある限られた僧侶達だけでした。

さて、ここで、こうした極楽浄土の状況を、絵や建物で見せることが出来れば、多くの人がこの教えを、楽に習得できるのではないでしょうか。

絵として描いた実例は、当麻曼荼羅です。これ以外にも、多くの浄土曼荼羅が布教に使われました。
当麻曼荼羅 - Wikipedia

一方、建物として実現したのは、平等院(鳳凰堂)が有名です。
平等院 - Wikipedia

これらの力で、日本の阿弥陀信仰は展開していきます。

このように

教えを見える化すれば
大衆に展開できる

と言う成功体験が、日本の文明にありました。

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