社会学の成立のための苦労
社会学が、学問としての地位を保つために、先人達が大変な苦労をしました。その一つを、エミール・デュルケームの「社会学的方法の規準」講談社学術文庫から、読み解いてみました。
まずは、物理学を目標にします。つまり
しっかりした対象
を扱う学問とします。そこで
社会的事実
と言う概念を作りました。例えば
子供が教育等の圧力で
社会的環境の理想型どおりに
作り上げられる
と言う状況から
その社会に一般的に広がる行為様式
を見いだして
社会的事実
として扱います。さらに、こうしてできた
社会的事実を物のように考察
します。こうして、物理学などに近づこうとしました。
さて、社会の類型に対しては
一般性を求める哲学の発想
個別の特殊性を強調する歴史学の発想
の中間に
科学の求める統一性と
事実の示す多様性を結びつける
社会種
を構成します。こうした
中間的な発想
が、社会を扱う学問には必要でしょう。
また、心理学との関係でも
人間の心理だけでは説明できない
環境的要素
を考慮することで、独立性を保っています。
こうした発想で
現在日本の憲法第9条
を考えましょう。この成立は
哲学的にあるべき平和
だけで決まるモノでなく
日本の国民の平和意識だけでもなく
当時の
米ソ対立状況
等の社会環境が大きく影響しています。
こうした面まで考える
社会学的方法
は色々な面で使えると思います。