総合的な思考の問題点
前に日本的な思考法には
全体像を描いて考える
と言う手法があると書きました。
日本的思考法|鈴木良実 (note.com)
しかし、こうした全体像を描くときには、以下の二つの問題点があります。
一つはどこまで描くか
二つ目には自分を含む世界は自分が変えるので収束が難しい
これを、西洋文明の発想で考えると
地図や図は描くモノが決まり
静止したモノを描く
ことで、この苦労を逃げています。
さて、この問題は、どのように解決できるでしょう。
私の経験では、1のどこまで問題は
絵を描くときの遠近法
の発想が、一つの切り口です。遠くに思うものを小さく描く、そのうち見えなくなる。こうして
絵として座りが良くなる
時全体像になるのです。遠くの山の絵を描くなら、その山麓や山肌の細部は描けないでしょう。こうした発想が一つの切り口です。
ただし、そうはいっても、社会問題などでは
何が大事かわからない
つまり
遠近感が成り立たない
という状況があります。そのような時でも
ある尺度で一度描いてみる
と何となく見えてくるものが在ります。会社の組織を作るときも、一度体制表を作る、そのあと問題点を修正する発想が、うまくいくことが多いのです。一発でベストを造ることは、できれば理想ですが、できないことが多いですね。そこで
間違ったら修正
という割り切りが必要です。
次に、2の不安定問題は、多くの場合にあります。そこでの対応ですが
何とか収束と感じたらそこで終わり
が一つの答えです。北条泰時が、御成敗式目を造った時も
「あるべきようは」の教え
が大きな力になりました。これは「自分があるべきものと思う」ものでよいという教えでもあります。
さて、もう一つの対応は
物自体の修正力を信じる
修正力を与える
という発想です。現実に、人間を含む組織を作ると、現場で融通を利かせて、何とか維持してくれる場合があります。また私が昔、ソフトウエアの標準化を行ったときには
標準外を吸収するプログラムを付加できるようにする
ことで、大きな成果を得ました。こうした発想も役立つと思います。