使える知識の一例 回答編
昨日書いた、新入社員向け問題
マックスウエルの方程式について説明せよ
交流を送る電線の周りで起こっていることを説明せよ
海中送電でなぜ直流を使うか説明せよ
の答え方について説明します。
一つ目の抑えるべき点は
これは知識テストではない!
使える知識の確認
です。従って、マックスウエルの方程式を、正確に書く必要はありません。その代わりに
物理的意味の理解
が必要です。
次に抑えるべき点は
目的が明確
点です。この問題を見ると
3.海中送電でなぜ直流を使うか
が
知識の実用化
と見えてきます。更に言えば
2.交流を送る電線の周りで起こっていることを説明せよ
も「海底送電の直流化」の理由を示しています。
これを踏まえると、以下のような回答例が出てきます。
1.マックスエルの方程式は
電荷の周りに電場が湧き出す
磁場が湧き出ることはない
磁束密度の変化で電場の渦が生じる
電流と電場の変化で磁場の渦が生じる
と言う物理現象を表している。
もっと簡単にいうと
「電場と磁場そして電荷についての相互作用、特に時間的・空間的変化を記述した」
と言う答えでも、次の2.につなげれば私なら合格とします。
2.の答え
交流が流れることで電線の周囲に磁場が発生する
交流であるから電流は変化するので磁場も変化する
磁場の変化により電場が生まれ変化する
変化する磁場と電場の相互作用で電線の周辺でエネルギーが消費する
3.の答え
水の誘電率は空気より遙かに高い
そのため交流で送電すると電線の周りの電場と磁場で失われるエネルギーが大きい
直流ならば上記損失がない
と言う答えでよいでしょう。
なお、会社での問題なので
「電気工学ハンドブックを貸して下さい」
と言う対応もよいでしょう。
但し、その場合には、方程式の形を書くだけでなく、物理的みをキチンと説明して欲しいですね。